ハンガリーGPの日曜日。レース前に行われるドライバーズパレードの直前、パドックでちょっと変わった光景が見られた。ドライバーたちが卓球やサッカーゲームに興じていたり、ソファに座って雑談していたのだ。
パドックに卓球台などの遊具が用意されたのは木曜日で、土曜日まではパドックにいる者が自由に使用していた。そのため、当初これはサーキット側が余興として置いていたと思われていた。だが、日曜日になると、遊具施設一帯がロープで囲われ、ドライバー以外、立ち入り禁止となった。なぜなら、これを準備したのは、国際映像を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)だったからだ。
ドライバーズパレードの待機所にすぐ近くにそのエリアが設けられていたこともあり、集合したドライバーたちは、おのおの自分のやり方でドライバーズパレード開始までの10数分間を楽しんでいた。
卓球を楽しんでいたのは、ザウバーの2人とカルロス・サインツJr.。ドイツ人のパスカル・ウェーレインとスウェーデン人のマーカス・エリクソンだが、予想以上に上手だった。それもそのはず、ドイツは男子の国別の世界ランキングで中国、日本に次いで3位。スウェーデンも7位と強豪国で、「日本ほどではないが、スウェーデン国内での卓球人気は高い」(エリクソン)という。
サッカーゲームをしていたのは、ストフェル・バンドーン、エステバン・オコン、ランス・ストロールの今年レギュラードライバーとして初めてフルシーズンを送っている若手組。フェルナンド・アロンソ、マックス・フェルスタッペン、ケビン・マグヌッセン、ダニエル・リカルド、ニコ・ヒュルケンベルグのベテラン組はもっぱら卓球台の周りに置かれてあるフロアソファやベンチでおしゃべりをしていた。
興味深かったのは、フェルスタッペンはアロンソと、ヒュルケンベルグはリカルドと話をしていたこと。というのも、その後行われたレースでフェルスタッペンはリカルドと接触し、ヒュルケンベルグはマグヌッセンと接触するが、彼らは話をしないどころが、近かづきもしていなかったからだ。もしかしたら、すでにこのあたりから冷戦は始まっていたのかもしれない。
ちなみにチームメイト同士で一緒に何かしたり、おしゃべりをしていたのは、ザウバーの2人とフェラーリのセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンだけ。ルイス・ハミルトンに関して言えば、このエリアにもいなかった!!
FOMのあるスタッフによれば、「じつはこの企画は今回が初めてではありません。中国GPでもパドックに卓球台を設置しました」という。気になる今後の予定は、「これからどのように展開するかは、未定」だという。果たして、夏休み明け初戦のベルギーGPではどんな余興が待っているのか?