「寝るのが怖い」という人は世の中に意外と多い。理由は様々あるだろうが、ネット上では以前からQ&Aサイトにも同様の悩みが寄せられており、「睡眠」=「意識不明」から「死」まで連想して入眠困難に陥る人は珍しくないようだ。
8月上旬には、ガールズちゃんねるに「寝るのが怖い人」というトピックが立っていた。トピ主は夜、目をつむると嫌な事ばかり考えてしまい、なかなか寝られず昼夜逆転してしまったという。これに対して、多くの人が「わかります」と共感や解決策を寄せていた。(文:okei)
「不安なことがブワーッて襲ってくる」「次の日が来るのが嫌で眠れない」
スレッドには、トピ主と同じように「布団に入って目を閉じて眠りを待ってる時間が嫌い。 嫌なことや不安なことがブワーッて襲ってくる」という声を初め、
「意識を失うのが怖い。このまま眠って、もう目が覚めなかったら(中略)どうしようと思って眠れなくなる」
「次の日が来るのが嫌で眠れない」
など、「寝ること」に脅える人たちの声が数多く挙がっていた。
「眠たくて目を閉じたら仕事中の怒鳴り声が聞こえてくる…」という人もいて、原因は違っていても、根本には大きな「不安」があることがうかがえる。
筆者も寝つきが悪いほうで、この気持ちはよく分かる。昼間何かしら活動している中では考えない心配事や悩みは、夜静かに床に就いたとき勝手に脳裏に浮かんでしまうものだ。トピ主は専門学校生で、追記に「考えないようにしようと思っても出来ません」と、学校生活上の不安を訴えている。こうして多くの人が学校や職場の悩み、将来や死へ不安から眠れぬ夜を過ごしているのだろう。
「考える」ことから逃げるのも一つの手段
こうした状況への対策としては、「太陽を浴びよう」「ありきたりですが、運動とかはしてますか?」などのアドバイスがあった。夜ぐっすり寝るためには、朝からちゃんと陽を浴びることで自律神経の乱れを整え、適度な運動をして身体を疲れさせるのがいいという意見だ。
しかしトピ主は「疲れているのに眠れない」のである。そこで、深く考えないマンガや娯楽ドラマ、動画を見ながら寝落ちするというやり方を奨める人もいた。だがマンガはともかく、パソコンやスマホ、ゲームの光は脳を活動させる交感神経が働いてしまうので、あまりお勧めはできない。
筆者の経験では、ヘッドフォンで深夜ラジオを小さなボリュームで聞いたり、波の音がひたすら流れるだけのCDを聴きながら寝るのも有効だ。リラックスできる音で「考える」ことから逃げるのも一つの手段だろう。
他には、「転職したらこわい夢をみなくなった。原因を取り除いたほうがいい」と薦める声もあり、もっともな話だ。不安要素に対して具体的に調べて解決策を得たり、失敗が怖いなら練習・勉強を積み重ねるのもいい。ただ、それができれば苦労はないのだろうが……。
何かの病気の前兆ではないか、という指摘も複数出ていた。「一度、病院で診てもらった方が良いと思う」という勧めに従い、心療内科や睡眠外来を受診してみてもいいかもしれない。