WRC世界ラリー選手権に参戦しているマッズ・オストベルグは、8月17日開幕の第10戦ドイチェランドへのエントリーを取り消した。マシンの技術的問題が要因だとしている。
2017年シーズン、プライベートチームからWRCに参戦しているオストベルグは、ラリー・ドイチェランドのWRC2にフォード・フィエスタR5で参戦する予定だった。
しかし、オストベルグは8月4~5日に行われたERCヨーロッパ・ラリー選手権第5戦『ラリー・ジェシュフ』にフィエスタR5で参戦した際、マシンのパワーステアリングが突如機能しなくなるアクシデントに見舞われた。
このアクシデントには一切の前兆がなかったといい、チームもトラブルの原因を特定できていないことから、ラリー・ドイチェランドへのエントリーを取り消す決断を下したという。
オストベルグは「高速コーナーへの進入で突然パワーステアリングが壊れた。本当に恐ろしい思いをしたよ」と、アクシデント発生時の恐怖を語っている。
「アシストがないと、まるでステアリングはなにかに固められているような状態だった。時速180キロ前後でコーナーを走りながら、マシンを安定させようと格闘する羽目になったよ」
「この問題を解決することができなかったから、参戦を取り消すしか選択肢がなかった」
また、オストベルグがドライブしているフィエスタR5は最新モデルより2世代前の型式だといい、この点も参戦を取り消す要因になったという。
「僕たちのR5は古いバージョンなんだ。機械的な部分はすぐにアップデートして最新型に追いつくけど、ソフトウェアのアップデートに関しては短時間での改修は不可能なんだ」
「とにかくアップデートを施さない限り、100%同じ問題が発生しないとは言い切れない。それもラリー・ドイチェランドを棄権した理由のひとつだよ」
ラリー・ドイチェランドを棄権するため、オストベルグが次にWRCへ出場するのは10月5~8日に行われる第11戦ラリー・デ・エスパーニャになる見込みだ。