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A.B.C-Zのコンサートに感じた“変化”ーー5周年ツアー『5Stars 5Years』横アリ公演から考える

2017年08月15日 07:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ジャニーズきっての肉体派グループ、A.B.C-Z。彼らは今、コンサートツアー『A.B.C-Z 5Stars 5Years Tour』の真っ最中だ。


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 A.B.C-Zは2012年2月1日にDVD『Za ABC~5stars~』でデビューし、今年5周年を迎える。2017年2月1日に5周年を記念した3枚目のCDシングル『Reboot!!!』を発売、2月5日には『A.B.C-Z デビュー5周年記念イベント~Reboot!!!~』を開催した。同イベントはCDに封入されている入場券があれば誰でも参加できるとあり、多くのファンが参加。常々、ファンに対して感謝の言葉を述べているA.B.C-Zらしいイベントである。結果、『Reboot!!!』は見事オリコン週間チャートで1位を獲得。彼らにとって幸先の良いスタートとなった。


 そんな「Reboot!!!」が収録された4枚目のアルバム『5 Performer-Z』が、6月21日に発売。今回の『A.B.C-Z 5Stars 5Years Tour』は、それを引っさげてのツアーである。アニバーサリーイヤーのコンサートということで、公演中にはいつも以上にファンに対する感謝が散りばめられていたように思う。7月30日の大阪城ホール公演から始まった同ツアーは8月9日に横浜アリーナ公演を終え、19日からはホール公演がスタートする。そこで本稿では、筆者が観た横浜アリーナ公演に感じた変化とホール公演への期待について考えてみたい。


 まず、ステージ構成。ジャニーズでは、「メインステージーー花道ーーセンターステージーー花道ーーバックステージ」と縦一列のステージと外周という構成が多い。A.B.C-Zもこのステージ構成を使うことが多かったが、今回は少し違った。センターステージから二股に分かれた花道が続き、バックステージに行くには一度客席に降りなければならないという珍しい構成だったのだ。この構成にすることで、全てのセンターブロック席と花道・ステージが接することになる。アリーナクラスの会場でも少しでもファンと触れ合えるように、という彼らの気持ちの表れではないだろうか。


 そして、セットリストにも注目したい。『5 Performer-Z』に収録されている曲がメインだが、それ以外にファンから人気がある曲やシングル曲などがふんだんに盛り込まれており、ライトなリスナーからコアなファンまで盛り上がれるものになっていた。このセットリストは、公開記者会見で話していたように「5周年なので集大成のようなベスト盤のようなコンサートにしたい」という思いのもと、メンバーの戸塚祥太が考案。特に印象的なのは、「サポーターズ」ではないだろうか。これは、去年行なわれた舞台『ABC座2016 株式会社応援屋!!~OH&YEAH!!~』の劇中歌だ。


<君をサポートしたい どんなに辛い夜も 涙が枯れ果てたとしても 1人じゃない 忘れないでね 僕も君に救われたんだよ だから遠慮なんていらないのさ You&Me>


 この歌詞はA.B.C-Zからファンへの、感謝のメッセージのように聞こえる。5周年を迎え、さらに大きく羽ばたいていこうとしている彼らにピッタリの曲だ。この曲をセットリストに組み込んだ戸塚へ、「ナイス選曲!」という言葉を贈りたい。


 最後は、演出だ。これまでのA.B.C-Zのコンサートは、アクロバットを使ったパフォーマンスが多かった。例えば、去年のコンサートツアー『A.B.C-Z Star Line Travel Concert』では、メンバーの塚田僚一が30回バク転をしたり、トランポリンを使って3m30cmの壁を登ったり、メンバー全員で久々のフライングをしたりと、圧巻のパフォーマンスを行なっていた。今回もそのようなパフォーマンスをするシーンがあったが、これまでに比べるとアクロバット要素は少なめ。しかし、その分息の合ったダンスや客席とのやり取りを楽しむことが非常に多かった。ファンからの支持が高いダンスを盛り込んだり、より多くの観客と触れ合えるようなパフォーマンスをしたり……アクロバットを控えめにしていても“A.B.C-Zらしさ”は健在だ。


 8月19日以降の公演では客席と距離の近いホールならではの新しい演出が披露されるのだろう。これまで関東での公演は代々木第一体育館で行なわれることが通例であったが、今回は横浜アリーナ、大宮ソニックシティホールと規模も会場数も増えている。横浜アリーナ公演でメンバーの橋本良亮が「(東京)ドームでやりたい」と発言していた通り、彼らを東京ドームで見られる日が来るよう、これからも応援し続けていきたい。(高橋梓)