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『愛してたって、秘密はある。』結婚の条件に隠された3つの謎 秘密受け入れた2人の行く末は

2017年08月14日 13:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 奥森黎(福士蒼汰)が父親を殺した時に流れていた曲「トゥーランドット」は、1762年にヴェネツィアの劇作家カルロ・ゴッツィが著した戯曲で『千一日物語』という物語をモチーフにしたと言われている。作中で中国の王女であるトゥーランドットは、結婚の条件として3つの謎を解くことを求婚者に求め、それができなければ首をはねたそうだ。これと本ドラマを結びつけるのは安易すぎるが、関係ないとも言い切れない。8月13日に放送された『愛してたって、秘密はある』第5話では黎が大きな決断をすることになる。


(参考:本当の嘘つきは川口春奈? 『愛してたって、秘密はある』黄色いバラに隠された意味


 婚約者である立花爽(川口春奈)の元に父を殺した凶器が届けられたことを知り、激しく動揺する黎。父がまだ生きているかもしれないと言う爽に「そんなわけないだろ!」とつい怒鳴ってしまう。このことを聞いた黎の母・晶子(鈴木保奈美)は「これでもう安心ね。警察に届けられなくて本当に良かった」と笑みを浮かべる。事件を悔やみ、嘘をつくことにも後ろめたい気持ちのある黎と、事件を隠し通すことに終始する晶子。対照的な事件への意識が浮き彫りになってきている。


 荷物の差出人から犯人を特定しようとする黎。しかし“女性”ということと“西浦果凛(吉浦果凛)の通う高校の近く”という2つしか手がかりを得ることができず、果凛も戸籍謄本の件以外は知らない様子。一方、晶子は誰かとの通話で「安心してください。あの人が戻ってくることはありませんから」と話している。時折見せる晶子の不穏な動きは一体何が目的なのだろうか。


 そんな中、黎と爽は結婚指輪を買いに行くことに。式場も決まり順調に行きかけていたが店内で流れていた「トゥーランドット」が父を殺した時の記憶をフラッシュバックさせてしまう。思わず店から飛び出した黎に爽は心配しつつも、違和感を感じ始めていた。


 神奈川地検にて黎は爽の父・立花弘晃(遠藤憲一)と話をする機会を得る。前に自分の父親のこと聞かれたことに疑問を持っていた黎は、弘晃にそのことを問う。「俺は息子に嫌われてるからな」と答えた弘晃は続けて、「どうして爽なんだ。爽じゃなきゃダメってことはないだろ」と投げかける。すると黎は「ピースができるようになったんです」と答える。黎の真摯な思いが伝わったのか、ついに結婚を認めた弘晃。彼もまた黎に疑いを持つ検事としての顔と、可愛い娘を持つ父の顔の狭間で揺れていたのだろう。


 結婚式の会場となる教会を下見することになった黎は爽。教会の十字架を前に爽は「結婚する前に神様に懺悔することある? 私はある」と打ち明ける。爽は黎がいないうちに手帳の中にある爽の高校時代の写真を見てしまっていた。しかし、黎は「爽が嘘ついてようがなに隠してようがどうでもいい」と話し、爽の目を見て「全部受け入れるよ」と決意の婚約指輪を差し出す。改めて想いを伝え、指輪をはめようとする黎。だが中身が殺した父と晶子の結婚指輪にすり替えられていた。そのまま第5話は終わってしまう。


 ついに爽にまで忍び寄る犯人。次々に戻されていく父の遺品。そんな中、両者の秘密を受け入れると誓った黎と爽。犯人は意外と近くに潜んでいるのかもしれない。


(馬場翔大)