マクラーレンは将来的に、インディカー・シリーズへのフル参戦を目論んでいるのだろうか。この噂はフェルナンド・アロンソがF1モナコGPを欠場し、インディ500に参戦することが決まったときから流れ始め、実際に彼はレースの目玉となった。憶測は消えることなく、いまではさらに大きくなっている。
マクラーレンのエグゼクティブ・ディレクターであるザック・ブラウンは、今季アロンソが再度インディカーに挑戦するのではないかとの噂を明確に否定。アロンソがシンガポールGPを欠場し、インディカー・シリーズ最終戦のソノマに参戦するという報道は“フェイクニュース”だと一蹴した。
「(インディカーに参戦するためには)まず彼は我々にリクエストを出さなければならないが、それは聞いていない。まったく馬鹿げた噂だ」とブラウンは話す。
アロンソの参戦は否定されたものの、チームそのものが2019年のインディカー・シリーズ参戦に興味を示しているとの噂は消えていない。実はこの憶測の情報元は、インディカー・シリーズでCEOを務めるマーク・マイルスなのである。
マイルスはスペインのEl Mundeo Deportivo紙に対し、以下のように述べている。
「マクラーレンには、来シーズンもアンドレッティ・オートスポーツとともにインディ500に参戦するというオプションがあることを我々は知っている。そしてマクラーレンはいまも、ベライゾン・インディカー・シリーズへのフル参戦に興味をひかれている」
「2018年ではないだろうが、2019年ならあり得るかもしれない。ザックはいつもカレンダーについての質問をしてくるんだ」
マクラーレン大株主であるマンスール・オジェは、将来的にはインディカーへの“フルワークス参戦”を考えていると4月に発言している。アンドレッティ・オートスポーツとの関係があるため、マクラーレンはインディカーに全力で取り組むことが可能だ。ただしこの2チーム間の関係には、ホンダエンジンユーザーであるという共通項が根底にある。
しかしながらマクラーレンおよびアンドレッティ・オートスポーツには、どちらも新たなエンジンサプライヤーを探しているといった報道が見られた。これが実現した場合、両チームの暫定的な提携関係は解消になる可能性がある。
しかしブラウンは、まずはF1での復活が第一と考えているため、インディカー参戦については複雑な状況となっている。彼はRoad and Track誌のマーシャル・プルエットに、次のように語った。
「我々はF1において大きな挑戦を抱えている。他の冒険に挑む前に、まずそのことを正しく把握し、レースに勝つことが必要だ」
ハンガリーGPにおいて、チームはアロンソとストフェル・バンドーンの両者をトップ10圏内でフィニッシュさせることができた。2017年シーズン前半としては大きな成長ではあるが、表彰台トップまでの道のりはまだ長い。