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家賃ゼロ、就職や定住もしなくてOK!宮城県栗原市が「ゆるくておもしろい?移住」参加者を募集 吉本芸人とまちづくりを考える

2017年08月12日 10:11  キャリコネニュース

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地方移住に興味はあっても、「見知らぬ土地で本当にやっていけるのか」と心配に思う人もいるだろう。そんな中、宮城県栗原市がよしもとクリエイティブ・エージェンシーと共同で体験移住プロジェクト「ゆるくておもしろい?移住」を実施する。NEET株式会社などで知られる、慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏がプロデューサーを務める。

期間は今年10月から最大半年間。その間、必ずしも栗原市に住み続けなければいけないわけではなく、家賃無料で生活することができる。対象は栗原市外出身で20~40歳程度の男女。募集人数は10人程度を想定している。

まちおこしは「地元の大人たちが議論するだけではなかなか見えてきません」

「ゆるい移住」は、2015年に福井県鯖江市で初めて実施された。「気軽に生活して、田舎のまちをゆるく体験してもらう」というコンセプトで、13人が参加し、終了後は7人が同市で生活を続けることを決めたという。

今回「ゆるくておもしろい?移住」を実施する栗原市は、宮城県北部に位置する人口約7万人のまちだ。2005年に全10町村が合併して誕生した市のため、市街地が分散し「栗原市」というブランドづくりに苦戦している。大学や専門学校などもなく、若者の流出も大きな悩みとなっている。

同市は東京や仙台からのアクセスもよく、自然豊かで多彩な食文化もあるというが、

「どうすればそのポテンシャルを上手に活かすことができるのか、そして、若者が『おもしろい』と感じてくれるまちをつくることができるのか、地元の大人たちが議論するだけではなかなか見えてきません」(「ゆるい移住」プロジェクトサイト)

と頭を抱えているようだ。そのため「『ゆるくておもしろい』という移住の実験」をテーマに、実施に踏み切ったという。

担当者「どんな人が来るかわからない。だから可能性がある」

同市は2015年からお笑い芸人のペナルティー・ワッキーさんが移住定住ガイドキャラクターに就任している。翌年にはワッキーさん主催で、地元高校生を巻き込んで「おもしろ顔はめ甲子園in栗原」を実施した。この時ワッキーさんから鯖江市で「ゆるい移住」をプロデュースした若新氏を紹介してもらった、と同市役所企画課定住戦略室担当者は話す。

若新氏と「ゆるい移住」について意見を重ねるうち、「自由参加のワークショップでよしもと芸人や地元高校生たちと『おもしろいまち』をゆるく考える」、「建物は改装・改造OK。家賃無料で共同生活ができる」という内容で実施すると面白いのではという考えに至った。同担当者は、

「例えば参加者にアーティストの方がいればアーティスティックな建物に生まれ変わるのかな、と思っています。皆さんで話し合って、面白い住居にしてほしいです」

と話す。しかし同市としては初めての試み。同担当者は「やはり楽しみでもあり、不安でもあります」と胸中を語った。

「若新さんから『ニートみたいな人も多いよ』と言われていますが、どんな人が来るか分かりません。でも分からないからこそ可能性はありますよね。ワークショップを通して、今まちづくりをしている人とよそから来た人が混ざることでどんな発想が出てくるか、本当に楽しみです」

同プロジェクトの説明会は8月19日に仙台、21日に東京で行われる。