コクピット保護デバイス“ハロ”を好ましく思っていないレッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーが、安全デバイスの導入を急ぎたいFIAとしては、“ハロ”に外観上の問題があろうと、より優れた効果をもたらす他のデバイスがない限り、これを採用するしか選択肢がなかったと述べた。
FIAはF1コクピット保護策を検討する上で、さまざまなソリューションを評価してきた。2016年から、メルセデスが最初に提案した“ハロ”型が有力候補となり、今年初めには“シールド”デザインも浮上したものの、結局FIAは2018年から“ハロ”を導入するという結論を下した。
ホーナーは、メルセデスがコクピット保護コンポーネントとして“ハロ”を提案した時から、FIAは他により優れたデバイスが登場しない限り、これを採用するほかなくなったと考えている。
「メルセデスが最初に、コクピット保護デバイスとしてあのコンセプト(ハロ)を提案した。それによってFIAは難しい立場に追い込まれた」とホーナーはAuto Motor und Sport誌に語った。
「もし今ハロがないマシンで事故に見舞われて、ハロをあれば命が助かったかもしれないということになったら、法的に反論の余地がない。手に入るのになぜ装着していなかったのかということになるからだ」
ホーナーは“ハロ”の外観を気に入っておらず、昨年レッドブルチームに代替策“エアロスクリーン”の開発を促したが、このデバイスは最終的にFIAに却下された。
「“ビーチサンダル”みたいなハロよりも外観を損なわずに問題を解決するために、我々はエアロスクリーンを開発した」
「その次に登場したのは“シールド”だ。しかしこれに関しては開発する時間が足りなかった」
「FIAは今ではハロ以外の選択肢がない状態に追い込まれている」
「私が懸念しているのは、カートに到るまですべてのレース規格で、ハロの使用が必須となるかもしれないことだ。どの段階まで行くのだろうか。ドライバーなら、ある程度のリスクは受け入れるべきだと私は思う」