ルノーF1チームのエンジニアは、ハンガリー合同テストでロバート・クビカを走らせてみて、それまで抱いていた彼の身体能力についての懸念が一気に払拭されたと述べた。
クビカは2011年2月のラリーでの事故で負傷し、その後遺症によりF1活動を中断しなければならなくなった。しかしラリーなどの競技を経て、今年ルノーが設置したプライベートテストで2012年型F1マシン、ロータスE20をドライブ。その後、ハンガロリンクでのインシーズンテストの1日でルノーRS17のテストを担当、F1現行マシンを初めて体験した。
F1カムバックを狙う上で第一段階といえるこのテストで、クビカは一貫性のある走行を披露し、競争力のあるタイムを記録。かつてのマシンに比べるとより速く、負担が大きいマシンを問題なくドライブできるという事実を裏付けることとなった。
「その質問は忘れていい――彼はハイブリッドマシンを走らせるのになんの問題もない」とルノーのエンジニア、リカルド・ペンティアードはブラジルのメディアGloboに語った。
テストに立ち会った誰もがクビカのパフォーマンスとラップタイムに感心するなか、ペンティアードは、クビカにはもっと優れたパフォーマンスを発揮するポテンシャルがあったと主張した。
「一番重要なのは、クビカが1周分だけの燃料を積んでいたわけではなかったということだ」と彼は言った。
「他に特筆すべきことは、彼がこなした周回数だ。2レース分に匹敵する周回数だ」とペンティアードは加えて言った。
「気温は40度にもなったが、ロバートは疲労を訴えてマシンから出てくることはなかった」
テストの前には、負傷した右腕の筋肉不足が、クビカがステアリングを握る際のコントロールを妨げるのではという懸念があった。
しかしクビカはステアリングホイールのレイアウトに最小限の修正を施しただけで今季型ルノーを走らせることができたと、ペンティアードは言った。
「彼には何の問題もなかった」とペンティアード。
「彼にステアリングホイールを用いたさまざまな変更を要求したところ、通常時間内にすべてをやってのけた」