北米に拠点を置くLAPモータースポーツは、現在世界的に盛り上がりを見せるTCR規定のツーリングカー選手権に向け、ミニUSAのサポートを得て2018年シーズンに『ミニ・ジョン・クーパー・ワークスTCR』の開発と、実戦投入を計画しているという。
現在、アメリカでIMSAの併催イベントとして開催されているコンチネンタルタイヤ・スポーツカー・チャレンジのストリートチューナー(ST)クラスに参戦しているLAPモータースポーツは、チーム名を『MINI John Cooper Works team』とし、ミニからの公式なサポートを受けている。
この新たなTCR仕様の開発計画に関して、LAPモータースポーツの代表を務めるルイス・ペロカーピは、Sportscar365.comの取材に対し「我々はミニUSAからすべての計画に関する承認を受けており、すでに必要な書類をTCRに提出したところだ」と説明した。
ペロカーピによれば、チームは2017年シーズン始めからマシンの設計に着手しており、ブレーキシステムとギヤボックスのコンポーネントはほぼ完成しているという。ただし、最終的にミニの"どのモデルをベースとするのか"に関しては、まだ決定には至っていないという。
「我々がこのプロジェクトをスタートさせたときには、4ドアのハードトップ(ミニ・5ドア)を走らせる計画でいたが、どうやら少しだけレギュレーション要件に対して全長が短いことが判明した。もちろん、TCRにはさまざまなマシンが存在することは理解しているが、その点に於いてさらに検討が必要になっているのが正直なところだ」とペロカーピ。
「ミニのラインアップには、まだ他にも適した車種がいくつか存在する。例えば(Cセグメントの)クラブマンのようにね。最終的には、ミニが何をしたいか、どういう活動を希望するかで車種選定が行われることになるだろう」
「TCR規定はすべてのマシンが競争力を保てるように配慮されているので、ベース車がどのモデルになるかは、あまり心配していないよ」
2017年の6月1日には、TCRの権利保有者であるWSC LtdとIMSA国際モータースポーツ協会が共同で声明を発表し、2018年シーズンからコンチネンタルタイヤ・スポーツカー・チャレンジに『TCRクラス』を新設することをアナウンスしており、同年1月のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイの24時間レースから、正式にカテゴリーが発足する。
この伝統の24時間イベントの併催レースにTCR仕様のマシンで参戦できるとあって、今後もこのシリーズへの注目度は高まっていくことが予想される。