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「クビカは見事なF1カムバックを果たした」とヒュルケンベルグが感嘆

2017年08月09日 17:12  AUTOSPORT web

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2017年F1ハンガリー合同テストに参加したロバート・クビカ(ルノー)
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、6年半ぶりにF1合同テストに参加したロバート・クビカが見せたパフォーマンスに感銘を受けたと語った。クビカは先週、ハンガリーGP後にハンガロリンクで開催されたテストでルノーの現行マシンを初めて走らせた。

 クビカは2011年2月に参戦したラリーで大クラッシュを喫し、腕と手に重傷を負った。当時F1での活躍を有望視されていたクビカだが、そのためF1キャリアを中断せざるを得なくなった。

 しかしクビカはそれ以降、何年もかけて自身の身体レベルを戻すための努力を重ね、徐々に世界ラリー選手権(WRC)やヨーロッパでのラリーなどで競技への復帰を果たしていった。そして今年に入ってからは2度にわたりルノーのF1プライベートテストに参加、2012年型F1マシン、ロータスE20でポール・リカールとバレンシアのサーキットを走行した。

 その後、ハンガリーで行われた合同テストでもルノーに起用されたクビカは、初めて現行F1マシンに乗る機会を得て、すぐさま若きテストドライバーのニコラス・ラティフィを上回るパフォーマンスを発揮した。初日にルノーR.S.17で走ったラティフィの自己ベストタイムは1分20秒302、翌日に乗ったクビカは1分18秒572と、大幅に速いタイムを記録した。


 ヒュルケンベルグはテストのときにはハンガリーにいなかったが、英AUTOSPORT誌の取材に対し、クビカの出したタイムに感銘を受けたとし、以下のように語った。

「テストに関する情報はある程度得ていたし、もちろんラップタイムも見たよ。彼自身にとって間違いなく素晴らしいカムバックになったと思う」

「ひどい事故で重傷を負ったのに、そこから復活を果たして現行のF1マシンをドライブし、そしてやすやすと140周を走りきってしまったということに、とても感銘を受けた」


 ヒュルケンベルグが特に感動したのは、これだけの周回数を、ツイスティで非常に過酷なハンガロリンクのサーキットで達成したことだという。

「しかもそれをブダペストのような身体的な負担が大きいコースでやってのけたということがすごいよ」とヒュルケンベルグ。「尊敬すべきことだ。いいパフォーマンスだったと思う」

 現在32歳のクビカはレース当日、自分の体力レベルについて満足していると語っているが、自身のテスト全体については「100%満足というわけではない」と述べている。


 ルノーは打ち消しているものの、クビカが次のベルギーGPからジョリオン・パーマーに代わってルノーのレースシートにつくのではないかといううわさが根強くささやかれている。しかし、この後のことについては、クビカ本人もヒュルケンベルグも、分からないとしている。

「次にどうなるのか、ルノーがどうしたいのか、僕には分からない。でもテストの内容は良かったと思うよ」とヒュルケンベルグは語った。

 クビカ自身は、F1のグリッドに戻れる見込みがあるとすれば、2018年からというのがより現実的だと考えているようだ。

「この3カ月、僕の状況は劇的に向上し、大きく前進した。それを思えば、今後何が起きてもおかしくないと思う」とクビカ。
「もし実現しなくても落胆はしない。僕は今の状態をすごく現実的に見ているからね」