モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第22戦ワトキンスグレン
伝統のロードコースでトヨタ・カムリトップ4独占!
トヨタ・カムリは週末の2カテゴリーを両制覇
伝統のワトキンスグレンで今季2度目のロードコース戦が行われ、トヨタ・カムリはマーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季4勝目を挙げるとともに、トップ4を独占。
エクスフィニティ・シリーズもカイル・ブッシュが勝利を挙げ、トヨタは週末の両シリーズを制した。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第22戦 I LOVE NEW YORK 355 at The Glen
開催日:8月6日
伝統のロードコースでトヨタ・カムリトップ4独占!
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季4勝目
8月6日(日)、アメリカ東部ニューヨーク州ワトキンスグレンのロードコース、ワトキンスグレン・インターナショナルでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第22戦「I LOVE NEW YORK 355 at The Glen」が開催された。
ほとんどのレースがオーバルコースで戦われているNASCARだが、カップ・シリーズでは年に2戦のみ、ロードコースでのレースが行われている。
今大会は、6月のソノマ戦に続く、今季2度目のロードコース戦。ワトキンスグレンはニューヨーク郊外の丘陵地帯に位置する高低差の大きな高速コース。60年以上の歴史を持ち、過去にはF1も行われたことのある伝統のコースである。トヨタ勢ではロードコースも得意としているカイル・ブッシュが過去2勝。昨年はデニー・ハムリンが制している。
6日(日)、正午過ぎからの予選を経て、午後3時23分、2.45マイルロードコースを20周、20周、50周の3ステージ合計90周(220.5マイル:約355km)して競われる決勝レースがスタート。
今季6度目、3戦連続のポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュが首位を守るとぐんぐん後続を引き離し独走。3番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.がすぐに2位へとポジションを上げこれを追った。
ルーキーのエリック・ジョーンズが5位、同じくルーキーのダニエル・スアレツもチームメイトのマット・ケンゼスとともにトップ10圏内をキープ。そして、レース前に規定外の調整をしたとして後方グリッドからのスタートを余儀なくされたハムリンも17位前後までポジションアップ。
ステージ1はイエローコーションが出ず、無給油で最後まで走り切れる周回数だが、ステージ2以降を見据えた戦略で、エリック・ジョーンズ、スアレツ、ケンゼス、ハムリンらが17周目にグリーンフラッグ下でピットイン。
ピットに入らなかったカイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.は1-2でステージ1を終えた。カイル・ブッシュは今季9度目のステージウィン。
ステージ1と2の間のコーションラップで、カイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.らはピットへ。タイヤ交換と給油を行ったが、カイル・ブッシュはホイールの緩みに見舞われ、再度ピットイン。
ステージ2はスアレツ4位、ケンゼス6位、エリック・ジョーンズ7位、ハムリン12位、トゥルーエクス・Jr.13位、カイル・ブッシュは32位から再スタート。
スアレツが素晴らしい走りで2位へとポジションアップ。32周目には首位走行中の車両がグリーンフラッグ中のピット作戦に出たため、スアレツが首位に浮上、ケンゼス、トゥルーエクス・Jr.がこれに続きトヨタ・カムリのワン・ツー・スリー体勢に。
エリック・ジョーンズが5位、後方スタートのハムリンもトップ10圏内へ。そして、ステージ2を30位以下からスタートしたカイル・ブッシュも猛烈な追い上げを見せ、ステージ2の残り2周ででトップ10圏内へと復帰して見せた。
ステージ2終盤にはトゥルーエクス・Jr.がケンゼスをかわし、さらにスアレツに迫ったが、スアレツが逃げ切り、初のステージウィン。トゥルーエクス・Jr.が2位、ケンゼス3位、エリック・ジョーンス5位、ハムリン6位、カイル・ブッシュが9位と、トヨタ・カムリはステージ2で6台がトップ10フィニッシュとなった。
ステージ3は50周と、無給油では走りきれない周回数なため、トヨタ勢を含む上位は、このステージ間にはピットインせず。そのままの順位で再スタート。すぐにトゥルーエクス・Jr.がスアレツをかわして首位に立った。
その後方では、9位での再スタートから8位を争っていたカイル・ブッシュがバスストップ・シケインでライバル車と接触。
2台はスピンを喫したが、幸いにもそれ以上の接触はなく、カイル・ブッシュはピットへ。イエローコーションが出なかったため、カイル・ブッシュは周回遅れにこそならなかったものの首位から50秒以上遅れの34位へと順位を落としてしまった。
カイル・ブッシュは50周目にも最後まで走り切るための燃料とタイヤのためにグリーンフラッグ下でピットイン。その翌周にタイヤバースト車両によりイエローコーションが発生し、多くの車両が一斉にピットへ向かった。
ここでピットに入らなかった数台に続く5位で再スタートを切ったトゥルーエクス・Jr.はすぐにポジションアップし、63周目に首位を奪還。20位で再スタートを切ったカイル・ブッシュもトップ10に返り咲いた。
先のイエローコーションのタイミングは、最後まで無給油で走り切るにはかなりぎりぎりの厳しい周回。燃料をセーブして走るか、ペースを上げて再度ピットインするかの判断を迫られることとなった。
首位を快走していたトゥルーエクス・Jr.は、追い上げてきたライバルが最後まで走り切れないと判断し、自身は無給油で最後まで走り切るためにペースダウン。
一方、追い上げを見せたカイル・ブッシュは4位までポジションを上げ、残り5周でピットイン。
燃料セーブで一旦3位にポジションを落としたトゥルーエクス・Jr.だったが、残り3周で首位の車両がピットイン。代わって首位に立ったもう1台も、残り2周で燃料切れに見舞われスローダウン。これでトゥルーエクス・Jr.が首位に復帰した。
トゥルーエクス・Jr.は最後まで燃料をもたせて走り切り、今季4勝目。同じく燃料セーブで最後まで走り切ったケンゼスはファイナルラップ、勝負を賭けての追い上げを見せたがコンマ4秒及ばず2位。スアレツが3位、ハムリンが4位で続き、トヨタ・カムリはトップ4を独占。
スアレツは自身最高位フィニッシュで初のトップ5。4戦連続のトップ10フィニッシュとなった。カイル・ブッシュが7位、エリック・ジョーンズも10位でチェッカーを受け、トヨタ・カムリは6台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第23戦は8月13日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.:
「ちょっと今は言葉が出ない。ずっとここでの勝利を夢見てきた。何度か近いチャンスはあったのに、届かなかった。それだけにこの勝利には感激している」
「レース終盤は多くのライバルが迫ってきて、私にできるのはクルーチーフからの指示を聞くことだけだった。幸運なことに、私には最高のチームがあり、彼らを信じたことで勝った。ここで勝てて、最高の気分だ。パワーだけでなく燃費でも素晴らしいトヨタ・カムリを作ってくれたTRD-USAとチームに感謝したい」
NASCAR XFINITY SERIES
第20戦 Zippo 200 at The Glen
開催日:8月5日
カイル・ブッシュが今季4勝目
シリーズ通算90勝目を挙げる
8月5日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第20戦「Zippo 200 at The Glen」がワトキンスグレン・インターナショナルで開催された。
他のシリーズと離れたアイオワで行われた前週から一転、今大会はカップ・シリーズとの併催となり、ロードコース戦ということもあってカイル・ブッシュ、エリック・ジョーンズらカップ・ドライバーが多く参戦した。
5日(土)午後2時18分、1周2.45マイルのロードコースを20周、20周、42周の3ステージ合計82周(200.9マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手からスタートを切ったカイル・ブッシュがすぐに首位に浮上。後続を引き離していった。
ステージ1、2はそれぞれ無給油で走り切れる周回のため、途中で出されたイエローコーションでも上位勢はピットインせず。終盤までカイル・ブッシュは首位を独走したが、17周目の1コーナーでスピン。
幸いにもどこにも接触することはなかったが、3位へとポジションダウン。そのまま3位でステージ1を終えた。エリック・ジョーンズが4位で続いた。
ステージ2スタート前のコーションで、上位勢はピットへ向かったが、ここでカイル・ブッシュはピットクルーが規定よりも多く作業エリアに降りてしまったためペナルティ。ほぼ最後尾の35位へと後退。
24周目にステージ2の再スタートが切られると、カイル・ブッシュは後方から猛烈な追い上げを開始。33周目にはトップ10圏内へと復帰した。
34周目にエンジンブロー車両によるイエローコーションが出されると、ステージ2は残り2周で再スタート。8番手から再スタートを切ったカイル・ブッシュは3ワイドバトルをすり抜けトップ争いに復帰。ステージ2を4位で終えた。
エリック・ジョーンズはこの再スタートでポジションを落とし、9位でステージ2フィニッシュ。
44周目にステージ3の再スタート。数周走ったところで給油すれば最後まで走れる周回となるため、各車次々にグリーンフラッグ下でピットへ向かった。
ライバルよりやや遅らせて53周目にピットインしたカイル・ブッシュは全車がグリーンフラッグ下でのピットインを終えた時点で2位に1秒以上の差をつけて首位に立った。
カップ・シリーズのトップドライバーがカイル・ブッシュを追うが、ロードコースも得意とするカイル・ブッシュは快走。残り6周でイエローコーションが出され、残り3周での再スタートとなったが、カイル・ブッシュはこれも決め、危なげなくトップチェッカー。今季4勝目を挙げるとともに、自身の持つシリーズ通算勝利記録はついに90勝目となった。
カイル・ブッシュはワトキンスグレンでカップ・シリーズでは2勝を挙げているが、エクスフィニティでは今回が初勝利。
エリック・ジョーンズが8位、今季よりシリーズにフル参戦し、初めてワトキンスグレンでのレースを戦ったマット・ティフトは13位でレースを終えた。
次戦第21戦は8月12日(土)、米国北部オハイオ州レキシントンのロードコース、ミッドオハイオ・スポーツカー・コースで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日のトヨタ・カムリは本当に素晴らしかった、ついにエクスフィニティ・シリーズのワトキンスグレン戦で勝てて最高の気分だ」
「何度も惜しいことはあった。2008年にはレーススポンサーと同じカラーリングでも走ったこともある。思い返せばいつも本当に速いクルマでレースを戦ってきたが、勝利には届かなかった。それだけにようやく勝てて本当に嬉しい」