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川栄李奈、おバカキャラから実力派女優へ 『僕やり』ドキドキさせる演技に絶賛の声

2017年08月08日 13:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 火曜21時に放送中のドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)で、エロかわいい女子高生役で大胆なラブシーンを演じ話題となっている川栄李奈。今期はドラマ『下北沢ダイハード』(テレビ東京)の第2話での風俗嬢役や、8月からauの人気CM「三太郎シリーズ」での織姫役を演じている。また、映画でも『亜人』や『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』などの出演作の公開が控えており、AKB出身者の中でも女優としてトップクラスの活躍ぶりを見せている川栄。AKBの総選挙では最高でも16位だった彼女が、どうしてここまで引っ張りだこの人気女優となったのか。『僕たちがやりました』を通して掘り下げてみたい。


参考:窪田正孝と永野芽郁“11歳差”キスシーンに悶絶 『僕たちがやりました』青春描写の面白さ


 川栄演じる女子高生の今宵は、トビオ(窪田正孝)たちの後輩で、伊佐美(間宮祥太朗)とつき合っている「巨乳で小動物系のエロかわ女子」。思春期男子高生特有の妄想エロキーワードが数多く出てくるこの物語で、かわいいのにガードが緩い今宵は、心を揺るがす能天気な小悪魔である。


 第1話では、丸山(葉山奨之)に「何カップ?」と聞かれ、「最近計ってないんで……触ってみます?」と答える今宵。第3話でもバイト帰りにバッタリ会ったトビオを家に呼び、シャワーを浴びてるトビオに「うぇ~い」と言って股間を触ったり、同じベッドで胸の谷間を強調した服で添い寝をし、胸元に手が伸びるトビオに「いいよ」と言って触らせたり、トビオを無視して伊佐美に押し倒された今宵は、初めは嫌だと拒絶していたがすぐにキスをして抱き合ってしまったり、あのアイドルだった川栄がここまでやるかと視聴者をドキドキさせっぱなしだ。だが今宵は、単に緩いギャルではない。物事をストレートに考え4人が爆破犯だと速攻に見抜く勘の鋭さを持ち、しかし事件に関して「どっちでもいいです、私バカなんで」という姿勢をみせる。また、父は海の仕事で帰らず、母は亡くなっているという実は苦労している少女で、料理も上手い。そんな女子高生を、絶妙に演じているからこそ、川栄は高い評価を得ているのだ。


 川栄がAKBの中でも女優として成功しているのは、やはりAKB時代にピークに達していなかったことが大きいだろう。完全にアイドルとしてのイメージがついておらず、これから何を見せてくれるのかという未知数な無色さ。事務所を移籍して完全に女優業に集中した川栄は、アイドル時代はおバカキャラに定評があったが、演技ではしっかり見せてくれるというギャップを打ち出すことに成功した。映画『デスノート Light up the NEW world』で見せたサイコな殺人鬼キャラは、そのギャップを際立たせて成功した例だろう。先日行われた学生向け就活イベント「CAMP SUMMIT 2017」のトークショーで、「アイドルから女優にシフトした時に意識したこと」について、「アイドル時代はおバカキャラをやっていたが、キャラクターを消すようにした」「今も雰囲気からおとなしくしています」と告白している。


 『僕たちがやりました』は、コメディタッチの青春劇のように見えて、かなりシリアスなドラマである。シリアスだからこそ緊張と緩和という意味で、川栄の存在がドラマを緩和してくれる貴重な存在。また面白いことに、間に流れるオリックスのCMで川栄が流暢に水族館の説明をする姿のギャップもまた、今宵のエロかわいさを引き立てている。


 『ZIP』(日本テレビ系)のインタビューで女優業を選んだ理由について「お芝居がすごく好きだったので、やるなら早いうちに、今やりたいことをやりたいと思った」と語っているように、好きなことをやっていることがドラマの中からでも伝わって来る。しかも今回そこにセクシーさが加わったことで無敵となり、もう完全に役を自分のものにしたと言える。同世代で清純で演技がうまい女優は数多かれど、『下北沢ダイハード』で演じたノリの軽い風俗嬢役のような、愛嬌のあるエロかわ女子が自然にできる役者はそうはいない。女優として最も気をつけていることは「低姿勢でいく」ことだというスタンスもまた、スタッフにも愛される理由だろう。


 ドラマや映画に出演する度に成長をしていく川栄。『ごめんね青春!』で共演した、彼女が理想とする女優・満島ひかりに追いつけ追い越せで、今後も活躍していくに違いない。(本 手)