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LEXUS TEAM SARD 2017スーパーGT富士第5戦富士 レースレポート

2017年08月08日 07:32  AUTOSPORT web

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DENSO KOBELCO SARD LC500 2017スーパーGT第5戦富士
DENSO KOBELCO SARD LC500
第5戦富士、10位フィニッシュで執念の1ポイント獲得

スーパーGT第5戦富士レポート

2017 スーパーGT第5戦「FUJI GT 300km RACE」(8/5~6)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選2万1600名、決勝3万3500名 合計5万5100名

 8月6日(日)SUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝が行われ、9番グリッドから一意専心にランキング首位奪回を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキがウエイトハンデ重量が重くて厳しいなかでも中団を追走して粘りの走りを見せる。
 
 争っていた集団の車両がピットインを行うと1周後にピットインするオーバーカットでピット作業争いに勝負を懸け、ヘイキのインラップの速さとピット作業の速さで平手を送り出すと、ここで一気に3台を抜かし、平手もアウトラップで追いすがるライバル勢を引き離していくピット戦略で順位を上げた。
 
 だがその後ペースが上がっていかずにWHが軽い車両の後塵を拝する状況に。軽い車両に食らい付いて行くもオーバーテイクに至らず、さらに軽い車両に抜かれ11位と苦しい展開。
 
 だが諦めない平手はプッシュを続けて52周目には10位に何とか浮上。ペースが落ちてきた上位車両集団にふたたび追い付いたが後一歩のところで惜しくもチェッカー。厳しい展開のレースで10位フィニッシュをもぎ取り執念の1ポイント獲得となった。
 
 ドライバーポイントは1点獲得(計36点)しランキング7位、チームポイントでは4点を獲得(計49点)しランキング6位となった。タイトル争い生き残りを懸けた正念場となる次の第6戦は、8月26日(土)~27日(日)に鈴鹿サーキットで行われる。
 
公式練習走行
 前回第4戦SUGOでは熾烈な戦いを制して待望の今季初勝利を飾り、シリーズランキング4位に浮上したDENSO KOBELCO SARD LC500。シリーズ後半戦の初戦、真夏の3連戦第2幕となる第5戦は富士スピードウェイが舞台。
 
 今季2回目の開催で、公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約2時間の300kmで争われ、ピットストップは1回。ウエイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる70kg。
 
 このウエイトハンディであるが燃料リストリクターが2段階絞られ、実際搭載するウエイト重量は36kgとなる。前回SUGOからは重量が6kg増しであるが燃料が2段階絞られることで富士特有のストレートスピードの落ちは免れない条件でのレース。

 5月に当地で行われた第2戦では2位を走行しながらも接触で7位フィニッシュと辛酸なめる結果に。その富士でその時の借りを返して、チャンピオンシップ争いの流れを一気に手元に引き寄せたいところ。
 
 シーズンを通じては運に左右されるも、デフェンディングチャンピオンに相応しく、ここまで常に上位を争う良い戦い振りを見せているDENSO KOBELCO SARD LC500。

 ウエイトハンディが厳しくとも、シリーズ争いの生き残りをかけた熾烈な戦いのなかで勝機を確実に掴んで上位に食い込み、6ポイント差で追うシリーズリーダーを追いつめておきたい正念場。チームは一丸となって、一意専心にシリーズランキング首位奪回を目指していった。

 5日(土)午前中の公式練習走行は、朝方は晴れていたがセッション開始時点は曇り空に。気温25度/路面温度29度と季節的には低めのコンディションのなか、8時50分から混走セッションが開始。
 
 最初にステアリングを握ったヘイキがソフト系のタイヤを装着してコースイン。まずは1分31秒155でその時点の5番手タイム。クルマのバランスはまったく問題ない様子で、次にミディアム系のタイヤを装着して感触をチェック。
 
 こちらも1分31秒241とタイム的には相違ないが、ヘイキの感触的にはミディアムが良い感じとのこと。平手にも2種類の確認してもらうべく19周目からタイヤの確認と、クルマをいじることなくタイヤの確認を中心に行っていった。
 
 平手もハードの方が決勝を考えると良いとの判断。QFで使わないと決めたソフト系タイヤを装着して平手が混走セッション中にアタックシミュレーション。混走セッションでは10番手となった。
 
 その後の10分間のGT500単独セッションでヘイキが同じくソフト系タイヤでアタックシミュレーションを行い公式練習走行を終えた。公式練習走行では合わせて40周を走行し、ヘイキのマークした1分30秒997で14位に。
 
 サファリの時間は燃料を多く積んだ状態で走行。バスが退去した後のタイムで7番手と決勝はまずまずの良いペースで走れる感触をもってQ1への準備を終えた。

公式予選
■Q1:ヘイキが0.15秒差で惜しくもQ1突破を逃す
 5日(土)午後も曇り空となり、気温27度/路面温度33度のコンディションとなった。残り8分ほどでファーストアタッカーのヘイキがコースイン。
 
 感触の良かったミディアム系のタイヤを装着して臨んだQ1。じっくりと丁寧にタイヤに熱を入れて少々時間がかかったもののまず4周目からのアタックで、まず1分30秒925のタイム。
 
 ふたたび全開アタックで1コーナーに飛び込んだヘイキはセクター1で19秒台に入れてくる速さを見せる。
 
 続くセクター2も27秒を切ろうかという勢いで駆け抜けたヘイキ。期待がかかったセクター3でも好タイムを刻んだが1分29秒921でQ1突破に僅か0.15秒差の9番手タイムとなり惜しくもQ1突破を逃す結果となった。

決勝
■ウォームアップ走行
 6日(日)各種プロモーションイベントやセレモニーの後、エアレースパイロットの室屋義秀選手の豪快で華麗なデモフライトが披露された後の20分間のウォームアップ走行では気温29度/路面温度36度に。
 
 スタートドライバーのヘイキが燃料を積んだ状態で、2スティント目用のタイヤのベディングとスタートタイヤと同じミディアム系タイヤを確認。9周目からは平手がチェッカーまで3周走行して決勝への準備を無事に整えた。

■決勝スタート
第1スティント:ヘイキが中位集団で粘りの好走
 6日(日)15時半決勝スタート時点は気温29度/路面温度36度。スタート前は日差しが強く照りつけていたが次第に雲が多くなり曇天に。スタートを担当したヘイキがオープニングラップでWHが軽い12号車に先行を許し10位で戻ってきたが中位集団の中で追走。
 
 数珠つなぎで連なる展開が続いていった。曇天が路面コンディションに影響したのか周回を重ねるヘイキからリアのスライドが増えて厳しくなってきたと無線で連絡が入る。ラップタイムは他車と遜色ないことからキープアウト。ヘイキはバランスが徐々にであるが変化して辛いフィーリングのなかで粘りの走りを見せる。
 
 そして、争っていた集団の車両がピットインを行うと1周後にピットインするオーバーカットでピット作業争いに勝負を懸けた。ヘイキは抜群のインラップの速さで32周を終えてピットに滑り込んできた。
 
第2スティント:平手が奮闘みせる10位フィニッシュ
 ヘイキのインラップの速さと一番のピット作業の速さで平手を送り出すと、ここで一気に3台を抜かし、平手もアウトラップで追いすがるライバル勢を引き離していくピット戦略で順位を上げることに成功し、1点でも多くのポイント獲得を目指して突き進んだ。
 
 だが、路面コンディションがさらに変化していき、ソフト系タイヤを装着して対応していたが、その後ペースが一向に上がっていかずに、WHが軽い車両の後塵を拝する状況に。
 
 軽い車両に食らい付いて行くもオーバーテイクに至らず、さらに軽い車両に抜かれ11位と苦しい展開となった。だが諦めない平手はプッシュを続けて52周目には10位に何とか浮上。
 
 ペースが落ちてきた上位車両集団にふたたび追いついたが、燃料制限2段階ダウンの影響は大きく抜かすところまで至らず。後一歩のところで惜しくもチェッカー。厳しい展開のレースで10位フィニッシュをもぎ取り執念の1ポイント獲得となった。
 
 ドライバーポイントは1点獲得(計36点)しランキング7位、チームポイントでは4点を獲得(計49点)しランキング6位となった。タイトル争い生き残りを懸けた正念場となる次の第6戦は、8月26日(土)~27日(日)に鈴鹿サーキットで行われる。

コメント
ヘイキ・コバライネン
 「もう少し上位で終われると思っていたけど残念な結果に終わってしまった。しかし、少しでもポイントを獲得できたことは幸い」
 
「練習走行ではまずまずの手応えであったけど公式予選、決勝を通じて我々には速さが足りなかった」

「データを分析して遅かった原因を探り、鈴鹿に向けて修正を図っていきたい。シリーズランキングのトップと8ポイント差に広がったけど、まだまだ。次の鈴鹿で挽回してみせるよ」
 
平手晃平
「前回富士での雪辱を狙って臨んだレース。想いを爆発させたかったですが裏腹にも天候にも見放され苦しい戦いを強いられました。その苦しいなかでもチームメイトのヘイキ(・コバライネン)、メカニックも頑張ってくれたお陰で貴重な1ポイントを拾ってこれました」

「これは次につなぐ1ポイント。次の鈴鹿までにやれることはやって、最後の鈴鹿1000kmで大きくポイント獲得したいと思います! 引き続きご声援のほどよろしくお願いします」
 
総監督 佐藤勝之
「応援ありがとうございました。菅生ラウンド優勝から高いモチベーションで挑んだ今回のレースでしたが、予選日の暑さとは逆に気温は一気に下がり、スタートからチェッカーまで我慢のレースとなりました」

「ピット作業の早さと確実性は武器の1つですが、最大限に活かし順位を上げたこと、苦しみながらも踏ん張れる力で1ポイント獲得に繋げ、LEXUS勢全車ポイント獲得にも貢献できました」

「中盤戦の終了時にトップと10ポイント差以内の好位置に付けておくことが、連覇に向けては重要と考えていましたので、思惑どおりのポジションで終盤戦が戦えます」

「昨年同様に強いチーム力を後半戦で一気に加速させます。そのための準備も整っています。皆様、引き続き応援をよろしくお願いいたします」