WorldRX世界ラリークロス選手権の後半戦開幕ラウンドとなる第8戦が、カナダのトロワ・リビエールで開催され、PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロGTI RXスーパーカー)が選手権リードを拡大する今季4勝目をマーク。7戦連続表彰台フィニッシュという選手権新記録も樹立した。
シーズン後半戦開幕となるラリークロスの世界選手権は、ヨーロッパを離れ北米大陸に上陸。地元オーガナイザーGP3Rが運営する半市街地特設トラックが舞台に。悪天候のなか、予選ヒートから速さを見せたのは、やはりポイントリーダーのクリストファーソンだった。
Q1をトーマス・ヘイキネン(アウディS1 EXS RXクワトロ)、Q3をチームボスのペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI RXスーパーカー)に譲って2番手となった以外は、すべてトップタイムを記録。
セミファイナル1、セミファイナル2をそれぞれトップ通過したPSRXの2台は、決勝でも3位表彰台に上がったセバスチャン・ローブ(プジョー208WRXスーパーカー)などを筆頭に、他を寄せ付けない圧倒的なスピードを披露してのワン・ツー・フィニッシュとなった。
フィニッシュ後に「この勝利はチームの努力のたまものだ」と語ったクリストファーソンは、マシンの安定した速さが勝因だったと振り返った。
「昨日はヘビーウエットだったし、僕らは本当にトリッキーなコンディションのなかで戦った。それでも、どんなトラック状況でもマシンは安定して速さを発揮してくれたし、それこそが大きなアドバンテージになった」
「もちろん毎戦表彰台に上がれているのは最高の結果だけど、リスクを冒すことはしたくない。一番に見据えているのはシーズンの最後にもらえるトロフィーだからね」
一方、2度の世界王者でもあるソルベルグも、チームが好調な週末を過ごしたことに満足だと語った。
「2台ともにパフォーマンスを維持して、チームは選手権ポイントで100点以上のリードを築いた。もちろん、予選ヒートのすべてで勝ちたいけれど(セミファイナルのヒートが重ならないよう)予選ヒートのポジションをあえて下げる戦略が必要になることもある。僕らはいいチームだし、ともに選手権獲得に向けて戦っていく」
そして3戦連続の3位表彰台に上がったローブは、クロスカントリー・ラリー参戦で負った怪我の影響を感じさせない好走を披露。それでも「僕らのマシンも非常に良かったが、それ以上にVWポロの速さとドライバーのパフォーマンスが印象的だった」とコメントした。
「我々のチームもうまくいっているが、さらにマシンを良くしていく必要がある。昨日はQ2でアンドレアス(・バッケルド)と接触したり、Q1ではセットが決まらないなど、困難な1日を過ごした」
「セミファイナルも厳しい戦いで、もう少し遅くにジョーカーラップを取っていたら2位になれていたかもしれない。いずれにせよ、来月のホームイベント(フランス戦)で4度目のポディウムに上がれればいいね」
また、ファイナル進出組となったMJPレーシング・チーム・オーストリアのケビン・エリクソンは、STARD製のフォード・フィエスタRXスーパーカーEvo.3で鮮烈なドライビングを披露し、ローブに次ぐ4位。
抜群のスタート反応でモンスターエナジー・スーパー・チャージ・アワードを獲得したチームEKSのヘイキネンは、ポディウム圏内を走行もスローパンクチャーに見舞われ無念の5位。
そしてファイナル最下位となる6位には、最終ラップ前にテクニカル・トラブルでマシンを止めたチーム・プジョー-ハンセンのティミー・ハンセン(プジョー208WRXスーパーカー)というリザルトとなった。
また、2016年王者のマティアス・エクストローム(アウディS1 EXS RXクワトロ)は、セミファイナルで発生したクラッチトラブルでファイナル進出を逃し、ポイントスタンディングでも3位に後退。タイトル防衛に黄色信号が灯りつつある。
次戦WorldRX第9戦は、フランス・ブルターニュ地方の名門トラック、ロエアックを舞台に9月1~3日のスケジュールで開催される。