IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)は8月6日、第9戦がロード・アメリカで行われ、2時間40分の決勝レースをテキーラ・パトロンESMの22号車ニッサンDPi(ヨハネス・バン・オーバービーク/ピポ・デラーニ)が制した。
2017年のWSCCは、開幕戦のデイトナ24時間からキャデラック勢がシーズンを席巻。ここまでPクラスが出走した7レースすべてでキャデラックDPi-V.Rが勝利を飾ってきた。
そんななか迎えた第9戦。ポールポジションからスタートしたウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックDPi-V.Rは、途中1回のフルコース・イエロー(FCY)を挟みながらも序盤から好ペースを維持。レース中盤まで後続車の追随を許さない走りを披露した。
ところが、チェッカーまで残り1時間を切ったタイミングで導入された2回目のFCYのリスタートで状況が一変する。
約15分間のセーフティカー先導ののち、レースがリスタートされると予選5番手から3番手まで追い上げていた22号車ニッサンのデラーニが抜群の再スタートをみせ、1コーナーでジョーダン・テイラーの駆る10号車キャデラックを逆転。
レース残り25分、見た目上の首位を走るJDC-ミラー・モータースポーツの85号車オレカ07・ギブソンが最後の給油のためにピットインしたことで総合2番手から総合首位に浮上した。
その後、総合首位を走る22号車ニッサンと総合2番手に落ちた10号車キャデラックは互いに自己ベストタイムを更新しながら、おおむね3~4秒以内での攻防を繰り広げるが、最後は22号車ニッサンが2.356秒差で逃げ切りトップチェッカー。ニッサンDPiがデビューから8戦目で初優勝を達成した。
10号車キャデラックを間に挟んだ総合3位には22号車ニッサンの僚友、2号車ニッサンDPiが入り、テキーラ・パトロンESMにとっては今季初勝利を飾るとともに2台揃っての表彰台獲得となった。
コルベット、フォード、ポルシェ、BMWが凌ぎを削るGTLMクラスは、ポールポジションを獲得したフォード・チップ・ガナッシレーシングの66号車フォードGT(ディルク・ミューラー/ジョーイ・ハンド)がクラス優勝。
66号車フォードは2回目のルーティンピット作業後、早めにピット作業を済ませ逆転を図ったポルシェGTチームの912号車ポルシェ911 RSR(ローレンス・バンスール/ジャンマリア・ブルーニ)に逆転を許したものの、このレース4回目のリスタート時にコース上で再逆転。
2台はその後ファイナルラップまで僅差でのバトルを展開したが最終的に66号車フォードが0.621秒差で912号車ポルシェを破ってポール・トゥ・ウインを決めている。
クラス3位は67号車フォードGT、同4位にはコルベット・レーシングの4号車コルベットC7.Rが入った。BMWチームRLLの最上位は25号車BMW M6 GTLMのクラス5位。
FIA-GT3マシンによって争われるGTDクラスは、2番手グリッドからスタートしたターナー・モータースポーツ、96号車BMW M6 GT3(イェンス・クリングマン/ジェシー・クローン)が序盤からレースの主導権を握り、4回にわたるFCYとリスタートにも動じず今季初のトップチェッカー。
パーク・プレイス・モータースポーツの73号車ポルシェ911 GT3 Rがクラス2位、5番手グリッドからスタートしたスティーブンソン・モータースポーツのアウディR8 LMSがクラス3位でフィニッシュした。
15号車レクサスRC F GT3が4番手グリッドという好位置からスタートした3GTレーシングは、14号車レクサス RC F GT3がグリッド順位から1つポジションアップの8位。15号車レクサスは10位でのフィニッシュとなっている。
2台のアキュラNSX GT3を投入しているマイケル・シャンク・レーシングは今大会は歯車が噛み合わず。86号車NSXはトラブルによりクラストップから20周遅れの14位、93号車NSXはクラッシュでリタイアという結果に終わった。
ワンメイクマシン『オレカFLM09』で争われるPCクラスは、パフォーマンステック・モータースポーツの38号車オレカ(ジェームス・フレンチ/パトリシオ・オーワード)がポール・トゥ・ウインでクラス優勝を飾り、連勝を7に伸ばしている。
WSCCの次戦は8月25~27日、バージニア・インターナショナル・サーキットで行われる第10戦。このレースは第8戦ライムロックパークと同様にGTLMクラス、GTDクラスのみで争われる。