トップへ

JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 スーパーGT第5戦富士 決勝レポート

2017年08月07日 11:42  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 スーパーGT第5戦富士 決勝レポート
2017 SUPER GT
INGING MOTORSPORT
第5戦 富士スピードウェイ レースレポート
◆8月6日(日)<決勝>天候:曇り|コース状況:ドライ
#51  JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 9位

予選17番手からスタートすることになったJMS P.MU LMcorsa RC F GT3はチーム一丸となってミスなく決勝レースを戦い、ポイント圏内となる9位でチェッカーを受ける
 前戦から実質的に1週間の間隔しかなくダメージを受けたマシンを修復させるなどの懸命な作業を続け、富士スピードウェイに到着したJMS P.MU LMcorsa RC F GT3。

 ゴールデンウィークに開催された第2戦では初優勝を飾ったこともあり、富士スピードウェイとは相性が良いと思われていたが、5日(土)におこなわれた公式練習から、セットアップや持ち込まれたタイヤの選択に悩まされることになる。

 予選は、坪井翔がQ1を走行するが、想定ほど路面温度が上昇しなかったため、17番手と今シーズン初めて予選Q2への進出を逃した。

 迎えた6日(日)の決勝レースは、予選日と同様に曇り空に覆われるとともに、蒸し暑い湿気に包まれることになった。決勝レース前の20分間のウォームアップ走行では、中山雄一、坪井の両ドライバーが乗り込み最後の最後までマシンの調整を行った。

 そして、3万3500人の観衆が見守る中66周の決勝レースは、予定通りの15時25分に開始される。スタートドライバーは、これまでの4戦と同様に中山が担当。17番手と過去4戦よりも後方からのスタートだったが、1周目にはすでに3つ順位をあげて14番手でコントロールラインを通過した。

 そして9周目には13番手、20周目には12番手までポジションを上げて順調なレース運びをみせる。決勝レース周回数の1/3を迎えた22周以降から、先行するマシンが徐々にピットインを行なう。JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、これまでの戦いと同様に、中山を可能な限りコースに留まらせてピットインする戦略を取った。

 先行車のピットインによって30周目には6番手と、さらにポジションアップ。30台のGT300クラスの中で20台以上がピットインを済ませた34周目にチームは中山をピットに戻す。タイヤは中山が履いていたハードタイプからソフトタイプに変更し、坪井がステアリングを握ってコースイン。

 19番手でコースに復帰した坪井は、トップ5を走るマシンと遜色ない1分40秒台のラップタイムで先行車を追った。41周目にはレース中のベストラップとなる1分40秒463をマークし、1台をパス。45周目には12番手までポジションを上げることに成功し、ポイント圏内が見えてくる。

 52周目には先行車のトラブルやピットインもあり10番手となり、17番手スタートからついにポイント圏内までポジションを上昇させた。終盤は、ややタイヤの摩耗が進んできたがそれでも粘り強い走行をみせ、残り5周となる57周目にはGT500クラスとの混戦を利用して先行車をパスし、9番手までポジションを上げた。

 結果としてJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は9位でチェッカーを受け、今シーズン最も後方からのスタートとなった予選17位から8台を抜き、貴重なポイント獲得を果たした。

コメント
影山正彦総監督
 結果からみると厳しい1戦となりましたが、それでも最低限のポイントは獲得できました。苦戦した原因としては、タイヤ選択が挙げられます。今回は3種類のタイヤが選択できたのですが、予選でも上位争いを行なえるという想定でハード方向を選びました。

 しかし、予想よりも路面温度が上昇しなかったことが影響して、本来のパフォーマンスが発揮できませんでした。ただ、タイヤを交換した決勝レースの後半はトップと遜色ないラップタイムをマークすることもでき、摩耗も想定より良かったので、次戦以降の選択基準として活かせると思います。チームは最善の仕事をしてポイントを獲得しましたが、反省点は多いので次戦までにしっかりと問題点を改善していきます。

松岡真司チーフエンジニア
 予選17番手からポイントが取れて良かったです。クルマのセットアップは間違ってなかったのですが、気温や路面温度に対してタイヤの選択に悩まされました。ウエイトハンデなどでマシンが重くなっていることもあり、ソフト方向のタイヤだと決勝レースが厳しいという考えからハードタイプを選択しました。

 しかし、結果を見てみるとソフトなタイプでも良かったかもしれません。セットアップの方向性は合っていると確信できたので、次戦以降はタイヤ選択に集中できます。そして、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は高速コーナーがライバル勢よりも速いため、次戦の鈴鹿サーキットは良いレースが行なえるはずです。

中山雄一選手
 公式練習と予選から選択したタイヤが路面温度とマッチせずに厳しい戦いとなりました。それでも、決勝レースは序盤から良いペースで走れて、渋滞する中段グループの中でも上手く走れました。

 周回を重ねていくとグリップダウンはしたものの、34周目にピットインするまでペースを維持して与えられた役割は果たせたと思います。結果としては、17番手からポイントを取れたことで、チーム力の高さは証明できたと思います。次戦以降は、予選で上位のポジションを得て、決勝も好レースをみせたいです。

坪井翔選手
 決勝レースは、中山選手からバトンタッチした時点でポイント圏内が見えていたので、最初から最後まで息つくことなく全力でプッシュしていきました。前半のスティントとは違ったタイヤだったのですが、しっかりと機能してトップグループと遜色ないラップタイムで走れました。

 トップスピードが伸びないマシンなので先行車をパスするのが難しかったのですが、それでも数台をパスして9位までポジションアップできたので良かったです。予選の順位からすれば、最低限の結果は残せたと思います。また、タイヤのライフや適性も分かったので、次戦以降も同じようなコンディションとなれば、このデータが活かせるはずです。