ザウバーのパスカル・ウェーレインが、2018年シーズンも同チームに留まる可能性は大変低くなってきているとみられている。
ウェーレインは2016年にマノーからF1デビューした22歳。2017年シーズンはザウバーに移籍し、第5戦スペインGPで8位、第8戦アゼルバイジャンGPで10位に入り、第11戦終了時点で合計5ポイントを稼ぎ、ランキング16位につけている。
一方、チームメイトのマーカス・エリクソンはいまだノーポイントだが、ザウバーのオーナー陣と密接な関係にあり、チームに残留できる可能性が高いようだ。
また、ザウバーは7月28日、スクーデリア・フェラーリとのパワーユニット契約を延長したことを発表している。
フェラーリは傘下の若手ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィかシャルル・ルクレールにザウバーのシートを割り当てる意向があると思われ、この契約延長が2018年シーズンのシート争いに影響を与える可能性もありそうだ。
こういった状況のなか、ウェーレインは2018年シーズンのシート獲得のチャンスがほとんどなく、チームから外される可能性が高いとの見方が出てきている。
「僕は(2017年シーズンのこれまでに)5ポイントを獲得した」とウェーレインはBild紙に語った。
「予選で僕は、エリクソンに対して8勝2敗*の結果を出している。これ以上何ができるだろう?」
*編集部注:実際には7勝2敗。開幕2戦を欠場したウェーレインは、第3戦から第11戦までの9戦の予選で、エリクソンに負けたのはカナダとオーストリアのみ
とはいえ、ウェーレインがシートを獲得する可能性はゼロではない。
ルノーは2018年ドライバー候補者のひとりとしてフォース・インディアの現ドライバー、エステバン・オコンを検討しているともいわれており、ルノーがジョリオン・パーマーの代わりにオコンを獲得するなら、メルセデス製エンジンで戦うフォース・インディアの1シートが空くことになる。
しかしながら現時点では、2017年シーズン第11戦ハンガリーGPまで印象的な働きを見せているオコンをメルセデスが手放すとは考えづらい。
2015年にDTMでタイトルを獲得しているウェーレインが、同シリーズに復帰するという選択肢もあるが、彼をサポートするメルセデスは2018年をもってDTM活動から撤退することを決めている。
フォーミュラEに転向するという道もあるものの、ウェーレイン自身は電気自動車でのレースに魅力を感じないとはっきり発言している。「僕はノイズ、燃料、そういったものによるパフォーマンスが好きなんだ。フォーミュラEで走ることは想像できない」とウェーレインは語った。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、ウェーレインがF1シートを喪失すると決まったわけではないと述べている。
「ドライバーマーケットにいろいろな動きがある。今後の2週間でいくつか興味深いことが起こるかもしれない」とウォルフは語った。