スーパーGT第5戦富士の決勝レースが8月6日、富士スピードウェイで開催され、スーパーGT300クラスはARTA BMW M6 GT3が優勝。GT500クラスとともにARTAが富士を制し、さらに高木真一がGT300通算最多勝記録タイとなる18勝目を挙げた。
レーススタート時点の気温は29度、路面温度は36度のドライコンディション。定刻の15時25分に66周にわたるスーパーGT“夏の3連戦”第2ラウンドが幕を開けた。
まず好スタートを決めたのはポールポジションスタートのARTA BMW。それにStudie BMW M6、グッドスマイル 初音ミク AMG、さらに6番手スタートの31号車TOYOTA PRIUS apr GTが続く。
序盤、ポジション争いを演じたのは31号車プリウスとSUBARU BRZ R&D SPORT、GULF NAC PORSCHE 911の3台。31号車プリウスとBRZは、テール・トゥ・ノーズの4位争いを展開し、それを少し離れた位置からGULF 911が追いかける展開となる。
周回数が20周目に入るころには、31号車プリウスが3番手を走る初音ミク AMGに追いつき、表彰台争いに発展。この2台が激しいドッグファイトを展開する。
その間にトップを走行するARTA BMWはぐいぐいと後続を突き放し、20周を過ぎたあたりで2番手のStudie BMW以下に約9秒ものアドバンテージを築いていた。
25周目に差し掛かるとルーティンのピット作業の時間帯へ。ここで上位陣のなかで先行してピットインした31号車プリウスはタイヤ無交換作戦を敢行。さらにBRZもリヤ2本交換のみで後半スティントへ。各車の後半の勝負に向けた作戦が分かれることになった。
トップグループのなかでピットインのタイミングが、もっとも遅かったのはARTA BMWだ。35周でピットインすると、4輪ともタイヤを交換してピットアウト。タイヤ無交換で追い上げてきた31号車プリウスの約4秒前方でレースに復帰する。
このまま接戦の優勝争いになるかと思われたが、ARTA BMWはポジションを譲ることなくアウトラップを終了。その後はギャップを広げはじめる。
その一方で、31号車プリウスの後方から初音ミク AMGが迫り、2位争いが白熱。すると45周目、初音ミク AMGの片岡龍也がレクサスコーナーで31号車プリウスのインを突いてオーバーテイク。2番手に浮上する。
片岡は先行するARTA BMWのショーン・ウォーキンショーを追いかけるが、レース残り5周の時点で、その差は8秒。ウォーキンショーは、そのまま危なげない走りでトップチェッカーを受けた。
この第5戦ではGT500クラスでもARTA NSX-GTが勝利したため、AUTOBACS RACING TEAM AGURIが両クラスを制覇。また、高木にとって今回の優勝はGT300クラス通算18勝目となり、長年コンビを組んでいた新田守男の記録に並ぶ、最多優勝タイ記録を手にした。
2位には初音ミク AMGが続き、3位は31号車プリウスが獲得。以下、BRZ、GULF 911、Studie BMWと続いた。
一方、ポイントリーダーとしてこの第5戦を迎えたVivaC 86 MCは、レース終盤までスティントを引っ張り、山下健太から松井孝允にドライバー交代。タイヤ無交換作戦を実行し、一時ポイント圏内につけたものの、51周目にマシントラブルからかホームストレート上で失速して緊急ピットイン。そのままレースを終えることとなった。
ポイントランキングでは、2位表彰台を獲得した初音ミク AMGの谷口信輝/片岡組がトップに浮上。2番手にVivaCの松井/山下組が続いている。
2017年のスーパーGT、“夏の3連戦”を締めくくる第6戦は、今年が最後の開催となる鈴鹿1000km。開催日は8月26~27日だ。