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GTA坂東代表、SUGO戦のSCをうけスーパーGTでのFCY導入に触れる

2017年08月06日 12:42  AUTOSPORT web

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スーパーGT第4戦SUGOのGT500決勝を左右したセーフティカーラン
GTアソシエイションの坂東正明代表は、スーパーGT第5戦富士の決勝日に行われた定例記者会見で、前回の第4戦SUGOでのセーフティカーの導入について意見を述べた。今後、これまでも導入について語っていたフルコースイエロー(FCY)を基本にしたシステムの導入を目指したいと語った。

 ウエットからドライに転じる展開となった第4戦SUGOでは、三度のセーフティカー導入があった。スーパーGTではGT500の先頭にセーフティカーが入るため、1周の距離が短いSUGOでは、タイミング次第でどうしてもGT300がその煽りを受け、ピットインのタイミングで周回遅れになってしまう事象も起きていた。

 前回の決勝では2回目のイエローフラッグ解除の2周後に3度目のセーフティカー導入となり、GT500でもその間、2周目にピットインを済ませた2チームが好運に恵まれ、ピットインをしなかったトップ4台がその後のピットインで周回遅れになって勝負権を失うという展開になってしまった。

 ただ、もちろんこれはきちんとレギュレーションに従ったもの。坂東代表は現行のSCルールについて、「セーフティカーを入れてコントロールするという方法はもう10年も前から行っていて、GT500の先頭を止めることはGT300では必ず周回遅れが発生してしまいラッキー/アンラッキーがあるので、一度ストレート上に止めて、GT500、GT300のトップからコースに出すという方法をとってきた」と、これまでの経緯を述べる。

 その上で、すでに定例記者会見でも述べてきたとおり、GTAでは他カテゴリーのシステムも常にチェックしているという。「世界的にはいま、FCYやスローゾーン(ル・マン24時間などコース距離の長いサーキットでゾーンを決めて速度と車間距離を制限)が主流になっている。前回のSUGOの件で言えば、FCYが使われるべきケースになる。欧米でもフルコースイエローが提示された後にセーフティカーが入る仕組みになっている」坂東代表。

 ヨーロッパではル・マン24時間などの1周の距離が長いサーキットではスローゾーンが導入されているが、WECも他のサーキットではFCYが導入されている。日本のサーキットは1周の距離が短いため、FCYが現在としてはもっとも適したシステムになるようだ。

「日本のサーキットのことを考えると、FCYの導入というのが考えられる。全体的に速度を抑え、FCY中にピットはクローズドになるので、その間の燃料の問題などはあるが、あとは予算とサーキットのオーガナイザー、コースのオフィシャルポストとの連動というのは考えなければならない」と坂東代表。

 システムとしては、車体側に速度センサーを追加して、コントロールタワーの指示によって速度を制限。前後の車間距離が変わらないように、速度センサーと速度リミッターを双方向無線で管理して、FCYを導入する案を検討しているという。

「ピットロードでは60km/hの制限速度なので、60km/hにするか80km/hにするかなどは今後の問題。どういうかたちで、どういうシステムが日本のこのレースに合ったFCYになるのか検討している」

 これまでは双方向の無線を使用するには日本では法的に難しい面もあったようだが、インターネット技術の進歩で、Wifiなどの通信を使用することでもFCYの管理は可能になるという。レースにラッキー、アンラッキーは付きものといえばそうだが、できるだけ多くのファンが納得のいく形で不公平がなくせるよう、スーパーGTのレース運営も前に進んでいる。