8月5日に富士スピードウェイで行われたスーパーGT第5戦の公式予選。ここで予選2番手を確保したMOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリは「正直、想像していない結果。全体を見ればいい流れだった」と振り返った。
第5戦の予選Q2、アタッカーを担当したクインタレッリはセッション終了間際までトップタイムをマーク。2015年の第5戦鈴鹿以来となるポールポジションを獲得したかに思われた。
しかし、最後のアタックで1分29秒104を記録した野尻智紀のARTA NSX-GTに交わされ、ポール獲得はならず。それでも5月の第2戦富士と同様、2番手グリッドを確保してみせた。
「(松田次生がアタッカーを務めた)予選Q1からタイムが上がってきて(マシンの)調子は良さそうに見えていたから、Q2では久しぶりのポールポジションを取りたかった」とクインタレッリ。
「残念ながら8号車(ARTA NSX-GT)がすごく速いタイムでしたけどね。ただ、予選全体を見ればいい流れだったと思います」
ポールを獲得したARTAとの差はコンマ3秒。タラレバで、その差を詰めることはできたのだろうか?
「コンマ3秒縮めるのは難しかったと思う。1コーナーの出口でマシンがスライドしてコンマ1秒くらいロスしたから、無線で2番手と聞いて『あのミスがなければ……』と思いましたけど、タイム差を見たら、これは無理だと(苦笑)」
「セクター1をきれいにまとめていても、1分29秒3が精一杯。ホンダ勢は予選で速いですし、ウエイトや燃料流量リストリクターのハンデを考えれば、しょうがないかなと思います」
今季ここまで苦戦を強いられているニッサンGT-R勢は、前戦のSUGOから信頼性と出力を高めた2基目のエンジンを投入。その効果もあってか、SUGOではS Road CRAFTSPORTS GT-Rが2位表彰台を確保した。
このエンジンについて、クインタレッリは「フィーリングはいい。回転の上がり方がいい」と高評価。最高速については未知数だというが、「明日の決勝で(燃料流量リストリクターをつけていない)8号車や(MOTULより燃料流量リストリクターが絞られている)36号車(au TOM'S LC500)と比較したい」と述べている。
ウエイトハンデや気候、レース距離などは異なるものの、MOTUL GT-Rにとって、この富士は5月の第2戦で予選2番手、決勝4位を手にした場所。ニスモとしては2016年の第2戦富士以降、優勝はおろか表彰台にも上がれていない状況が続いており、レクサスの連勝を止めるため、ニッサン/ニスモ反撃の狼煙を上げるためにも結果が欲しいところ。
「狙うは優勝と言いたいけど、まだ今年は表彰台に登れていない。最後に表彰台に登ったのは去年の第2戦で、長すぎる間が空いてしまったと思います」
「富士に来る前はニッサンの2台(カルソニック IMPUL GT-R、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R)や、19号車(WedsSport ADVAN LC500)、NSX勢もほとんどウエイトハンデが軽いから、ギリギリでQ2に進出して、うまくいけば予選で3番手かなとは思っていました。正直2番手は想像していませんでしたよ」
「タイヤについては第2戦から大きな問題は感じていません。今日はレースでトラブルが起きないようなタイヤを選択しましたし、朝(公式練習)もロングランを少しテストしています」と話すクインタレッリ。
ニスモの鈴木豊監督も「今年で一番、(タイヤ、セットアップが)決まっている」と自信を持っているように、6日の決勝では、ニッサン/ニスモの復活劇が繰り広げられるかもしれない。