8月4日午後、佐藤琢磨は首相官邸に招かれて安倍晋三内閣総理大臣より顕彰を授与された。
その受賞理由として「日頃のたゆみない精進によって『インディ500』で日本人初の優勝の偉業を成し遂げるなど、モータースポーツで数々の記録を打ち立て、極めて優れた業績を上げた」とされた。安倍総理が顕彰状を読み上げると、琢磨は深々と頭を下げて顕彰状を受け取った。
琢磨はその御礼としてインディ500ウイナーに送られているインディアナポリス・モーター・スピードウエイでかつて使われていたブリック(レンガ)を安倍総理に渡した。前日に内閣改造を終えたばかりの安倍内閣としては初めての公式行事だ。
琢磨は今回首相官邸に行くにあたりブルーのホンダNSXを自らドライブして官邸に向かった。顕彰、表彰を授与される人が自ら車を運転して官邸に入るのは異例中の異例であり、自らが車を愛するレーシングドライバーであることを、琢磨らしくしっかりアピールしたかたちであった。
安倍総理との面会は短い時間ではあったが、終始和やかなムードで行われ、インディ500の歴史やスピードの話にも話は及んだ。
琢磨は「安倍総理からは『これからもモータースポーツのために頑張ってください』とお言葉もをいただきました。モータースポーツ界からは初めての受賞ですし、本当に光栄なことだと思います」
「今まで僕の活動を応援してくれたファンやスポンサーの皆さんのおかげだと思います。まだシーズン途中でこの後またアメリカに帰ってワトキンス・グレンのテストとポコノのレースも控えています。今、ランキングは7位ですが最終戦のソノマはダブルポイントですし、まだチャンピオンの可能性は残されています。この後、最終戦までしっかり頑張ってきたいです」と語った。
ミド・オハイオのレースが終わってからすぐに帰国して今回の授与式にのぞんだ琢磨だが、インディカー・シリーズは夏休みも少なく、シーズンは残り4戦の大詰めに入る。
インディ500優勝という日本人初の偉業を成し遂げた琢磨にとっては、特別なシーズンになるのは間違いないが、シーズンの最後まで健闘を期待したいところだ。