トヨタ自動車は8月4日、役員の担当変更、人事異動を発表し村田久武氏が、前任の佐藤俊男に代わり8月1日付けでTOYOTA Motorsport GmbH(TMG)社長ならびにWEC世界耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAOO Racingチーム代表に就任すると発表した。
かつてトヨタが参戦したアメリカのCARTシリーズや、グループCカーでのル・マン24時間挑戦など、モータースポーツへの幅広い知見、経験を持つ村田氏。
近年は、2006年から本格的に開始されたハイブリッドシステムを使用したレーシングカー開発に端を発し、2012年から参戦を続けるWECのLMP1カーに搭載されているレース用ハイブリッドシステム『THS-R』およびハイブリッドパワートレインの開発を率いてきた。
そんな村田氏は今後、TOYOTA GAZOO RacingのWECプロジェクトとともに、TMG新社長としてトヨタ自動車の先行開発プロジェクトや、一般カスタマー向けの技術開発事業などの全般的な事業にも関わり、着任後はチーム・ディレクター兼ビジネスオペレーション担当副社長のロブ・ロイペン、パスカル・バセロン技術部門担当副社長とともにTMGを支えていく。
新たな役職に就いた村田氏は「TMGで新しい業務を担うことを誇らしく思います。LMP1ハイブリッド車両開発プロジェクトのスタート当初より、TMGの関係者とは強い絆を結んできておりましたが、この度、さらに緊密な関係を築きつつ、すべての分野において成功に向かって挑戦していくことになりました」とコメント。
一方、約3年にわたってチームとTMGを率い、1日付でトヨタ自動車のパワートレーンカンパニー、パワートレーン開発統括部主査に就任した佐藤氏は「これまでの3シーズン、一緒に懸命に働いてくれたチームとTMGの関係者のみなさま全員に心から感謝を申しあげます」と謝辞を述べるとともに「このチームとTMG、両方の組織の一員になれたことを嬉しく思いますし、低迷した2015年シーズンから着実な進歩を遂げられたことを誇らしく思います」と語った。
「今後、自分自身は新たな業務に携わることになりますが、日本からチームとTMGを応援して参ります。引き継ぐ村田新社長を全面的に支援するとともに彼の成功を心からお祈り申し上げます。また、最後になりますが、ファンの皆様、関係会社の皆様、これまでの暖かいご支援、本当にありがとうございました」
村田久武 経歴
1987~1993年 トヨタ自動車株式会社 モータースポーツ部 ル・マンレースエンジン開発担当
1995~2002年 トヨタ自動車株式会社 モータースポーツ部 米国CARTエンジン開発担当
2003~2005年 エンジンプロジェクト推進部
2006~2007年 モータースポーツ部 レースハイブリッド車両(十勝24時間レース)開発主査
2006~2013年 モータースポーツ部 レースハイブリッドシステム開発主査
2014~2017年 モータースポーツ部、モータースポーツユニット開発部 部長
2017年 TMG社長就任