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「完全にDVだった」彼氏との壮絶な日々を明かした匿名ブログに反響 「LINE1日1000件」「携帯がナースコールのように」

2017年08月04日 18:31  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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はたから見ればどう考えてもおかしいことが、当事者には分からず深みにハマってしまうことがある。ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害もまた、そうした構造を持っているだろう。

精神的に非常に不安定な彼氏と2年も付き合い、

「完全にDVだった。目が覚めた」
「あの日に死ななくてよかった。おまわりさん本当にありがとう」

と当時の記憶を振り返った独白が、8月2日、はてな匿名ダイアリーに投稿され注目を集めた。(文:okei)

切れない電話「好きだったので、可愛い!と思った」

元彼は前の職場で知り合った、2つ年上のエキセントリックな雰囲気の男性。世間知らずな感じの子には「局地的によくモテてた」という。つき合い始めると1日に4~5回電話がかかってきて、実家で同居する母親の愚痴などを延々喋る。切ろうとすると「寂しいからもうちょっと」と言われるが、「好きだったので、可愛い!」と思ったそうだ。

やがて彼女は行動を制限されるようになる。早く電話を返さなければ、落ち込んだ彼が「もうだめかも」と不調を訴え無言で電話が切れる。遅刻して待たせると責めるLINEを次々に送ってくるが、彼は約束の時間に寝ていたことも。彼の体調によって行ける場所が限られ、機嫌が急に悪くなり、何時間も口をきいてもらえず「ただ後ろをついて歩くだけの日」もあったという。

半年経つころには、「携帯がナースコールのようになっていた」。仕事中だろうが夜寝ていようが、「もうむり」「たすけて」と連絡が来る。彼女は必ずLINEや電話で応じた。

「私が連絡に気づかないと彼はスタンプを連投してきた。一番多いときでLINEは1000件きた」

ところが、彼女に対し心無い言動をしたあとに限って、何事もなかったように「きみに救われてる。大好き」「大切に思ってる」「愛してる」などと真摯に謝ってくる。昔からよく聞く典型的なDV男だ。

自己犠牲的な思考に至った時点で関係性は破綻してる

驚くことに投稿者は、双極性障害の本を何冊も読み、彼のカウンセリングに同伴したりしていた。つまり、彼を理解し助けてあげたくて、とことん自分が彼に合わせる形をとったのだ。「彼のことが死ぬほど好きなつもり」だったというが、彼の"症状"は酷くなる一方のようだった。

心身共に疲弊し仕事も退職、歩道橋の上で自殺寸前まで追い詰められていたという。さすがにまずいと考え友人に相談するうちに、別れを決意できたようだ。

この投稿には300以上のブックマークがつき、コメントも多数寄せられた。「生きてて何より」「逃げられて本当に良かった」などの声と共に、冷静な指摘もある。

「こういう自己犠牲的な思考に至った時点で関係性は破綻してるのだと思う。自分で自分を大切だと思えない相手と一緒にいる必要なんて絶対にないよ。」

DVは殴る蹴るだけじゃない「精神的なもの、性的なもの」も

また、中には「DV…ていうのか?タイトルは『メンヘラ男と付き合って疲れた』とかでいいんじゃない?」などと、DVとすることに疑問を持つ人もいた。DVというと殴る蹴るなどの暴力と思いがちだが、内閣府男女共同参画局はDVの形態を

「身体的なもの、精神的なもの、性的なもの」

としている。精神的なものは「大声でどなる」「友人とのつきあいを制限する、何を言っても無視して口をきかない」などで、壮絶な日々をさまざま綴った投稿者の経験談に当てはまる。被害者が精神障害に陥れば、傷害罪として処罰されることもあるという。いずれせよ、重い罪だ。

内閣府の調べによると、配偶者からの暴力相談を受理した件数は増加の一途をたどり、2015年には11万件を超えている。投稿者は妻ではないが、これはよくあるケースかもしれない。これを読み、渦中の人が1日も早く自分の置かれた状況に気付くことと、投稿者がこれから幸せになることを願ってやまない。