家で作った料理を保温したまま持ち運び、出先で温かい状態で食べられるフードジャー。便利なツールで人気が高まっているが、気を付けて使わないと思わぬ事故に遭う危険性がある。
東京都の生活文化局が7月26日に発表した報道資料によると、フードジャーに関する消費生活相談が2013年以降急増しており、2013年から2016年までの4年間で37件あった。うち危険案件は14件にのぼった。資料では
「フードジャーの中のパスタを2日放置後、開閉不可能に。お湯で周りを温めたところ、爆発」
「スープジャーに味噌汁を入れ、8時間後飲もうと思ったら蓋がやっと開いた。飲まずに持ち帰りその後開けたら中身が飛び出た」
「スープボトルで、閉めてあった蓋が勝手に飛んで顔に当たった」
といった事例も紹介されている。
実験では13時間20分の放置で蓋が吹き飛ぶ
そこで都は3~4月に安全テストを実施。容量約300ミリリットルの4種類のフードジャーを検体とし、50度程度に冷ましたコーンスープとドライイーストを入れ、放置テストと加温テストを行った。フードジャーでは、「口腔内や食品に含まれる酵母や細菌等がジャーの中に入ると、腐敗や発酵で作られる二酸化炭素によって内圧が上昇する」のだという。
蓋を閉めて放置したところ、13時間20分で蓋が勢いよく飛び上がった。その様子が動画で紹介されているが、凄まじい勢いで吹き飛んでおり、一つ間違えば大怪我をするおそれもありそうだ。
また30時間放置したジャーを逆さにして蓋を熱湯につけたところ、7~35秒で、4検体中で3検体の蓋が外れ、うち2検体で本体部が飛び上がることがわかった。蓋が外れないからといって、温めることは大変危険な行為だ。
これらの結果を踏まえ、東京都は消費者対して、「飲食物をフードジャーに入れたまま長時間放置しない」「フードジャーが開けられなかった場合に、温めない」といった対応を呼びかけている。