アルゼンチンの大人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000は第7戦がオベラで開催され、土曜の予選レース、日曜のフューチャーレースともに、ルノー・スポールのリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が完勝。両日ともに見事なポール・トゥ・ウインを達成した。
アルゼンチン北東部に位置するオベラの公園内に設けられたトラックで、7月28~30日に開催されたスーパーTC2000の第7戦は、土曜のスターティンググリッドを決める金曜セッションから、テクニカル部分はワンメイクとなるスズキ製スーパースポーツ『隼』の1350cc直列4気筒をベースにV8化した、2700ccの超軽量エンジンを搭載するマシンたちが僅差の勝負を繰り広げた。
そのセッションでプジョー・スポールのマリアーノ・ウェルナー(プジョー・408)を下してトップタイムをマークしたのは、トヨタGAZOOレーシング・アルゼンティーナのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)。
ただし、土曜予選レースに向けてはチャンピオンシップを基準としたグリッド・ペナルティ・システムが適用され、ルノー・スポールのペーニャと、王者アグスティン・カナピノのチームメイト、ベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ)がフロントロウに並んだ。
迎えたスタートでは、ポールシッターのペーニャがリードをキープ。背後にレイバー、そしてプジョーのファビアン・シャナントゥオーニ(プジョー・408)が続き、この3台で後続を引き離す展開に。
しかし、終盤にフォード・フォーカス3セダンをドライブするフランコ・リヴァがスピンを喫し、マシン回収のためセーフティカー(SC)が導入。
これで団子となった車列は、残り1周でのレース再開で超スプリントが展開されるも、ペーニャがリスタートを決め薄氷の9周トップチェッカー。コンマ7秒差の2位にレイバー、3位にシャナントゥオーニと、そのままのポジションでの表彰台となった。
続く日曜のフューチャーレースは、フロントロウに前日の勝者が並んだものの、セカンドロウの3番手に着く予定だったシャナントゥオーニは、予選レース後車検でフロントスプリッターに違反が発覚し最後尾に。代わってルノー・スポールのファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT)が並ぶこととなった。
このポジション降格ペナルティが影響したか、スタートではフィールド後方で3台が絡むクラッシュが発生。プライベーター・プジョーのアントニオ・ガルシアと、前日もスピンを喫していたリヴァに、降格したシャナントゥオーニが巻き込まれる形となり、リヴァのフォーカスはフロントエンドが大破するアクシデントに。
さらに8周目にもプライベート・シボレーがスピンし、これでSC導入。その後も波乱のレース展開は続き、リスタート後にはWTCC世界ツーリングカー選手権レギュラーでもあるエステバン・グエリエリ(シトロエン・C4ラウンジ)とエミリアーノ・スパタロ(ルノー・フルーエンスGT)が12番手争いで接触。
また、1周目のバトルで他車とヒットしていたトヨタ・カローラのロッシが、無線で油圧低下の問題を訴え緊急ピット。同時にグエリエリもピットへと向かうが、のちにギヤボックスへのダメージが判明し、チャンスを失うこととなった。
続く18周目には、オープニングラップの混乱から這い出しレースを続行していたシャナントゥオーニがマニュエル・マロ(シボレーYPFクルーズ)とのクラッシュでコースオフ。同時に、ワークス・フィアットをドライブするカルロス-ハビエル・マロ(フィアット・リネア)のマシンが燃圧低下でストップし、これで2度目のSCインとなった。
22周目に再開となったレースは、先頭のペーニャと2番手レイバーが逃げる展開は変わらず。しかし3番手争いでは24周目に3番手スタートだったルノー・スポールのアルドゥソが、レース中盤にかわされていたファクンド・チャプル(プジョー・408)からポジションを奪還することに成功。そのまま27周目のフィニッシュラインを通過し表彰台を確保した。
これでペーニャは自身2年ぶりとなるフューチャレースでの勝利をマーク。選手権でも首位ウェルナーから16ポイント差の5位に浮上した。
スーパーTC2000の次戦、第8戦は9月1~3日にサンタフェ市街地のストリートサーキットを舞台に開催され、土曜予選レースはナイトセッションでのバトルが予定されている。