7月28~30日にオーストラリアのクイーンズランド・レースウェイで開催されたVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第8戦。そのレース1ではスコット・マクローリン(フォード・ファルコンFG-X)が今季6勝目をマーク。しかし、続くレース2では同じくフォード陣営のチャズ・モスタートが一矢報いる今季2勝目を挙げた。
今季ここまで絶好調を維持するDJRチーム・ペンスキーは、この週末も順当にマクローリンがポールポジションを獲得。そのDJRペンスキーに追いすがりたいレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)のジェイミー・ウィンカップ(ホールデン・コモドアVF)だったが、予選中のピットロードで他車に接触したとの裁定でペナルティを取られ14番グリッドに降格。これでレースは俄然ペンスキーに有利な状態となった。
しかし、そのスタートでマクローリンに立ちはだかったのは、RBRAのサテライトとしてトリプルエイト・レースエンジニアリングが運営するチーム・ボルテックスの大ベテラン、クレイグ・ラウンズ(ホールデン・コモドアVF)。
1コーナーの攻防でオフラインに押しやられたマクローリンは、ラウンズに先頭を譲り渡すことに。しかし、ここから冷静なレース展開を披露したDJR陣営は、背後のフォード勢モスタートとともに、2度のピットストップごとにタイムを稼ぎラウンズを逆転。終盤にフォードのワン・ツー体制を築くことに成功した。
結局、ラウンズはその後ペースが落ち、RBRAの王者シェーン-ヴァン・ギズバーゲン(SVG)と、同じくホールデンのティム・スレードに先行を許し5位フィニッシュ。
マクローリンのチームメイトでシーズン前半戦のポイントリーダーでもあったファビアン・クルサード(フォード・ファルコンFG-X)が6位、ブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)のニック・パーカット(ホールデン・コモドアVF)が7位、そしてニッサン・モータースポーツのリック・ケリー(ニッサン・アルティマ)のトップ8となった。
日曜のレース2は、ポールシッターとなったモスタートが安定した走りを披露。フロントロウに並んだマクローリンが、スタートの1コーナーまでに3ポジションダウンを喫したのを尻目に、プロドライブ・レーシング・オーストラリアのマシンはリードを拡大する展開に。
そのオープニングラップでマクローリンをかわしたウィンカップとクルサードの2台は、それぞれRBRAとDJRペンスキーの判断で他車とは異なるピットストラテジーを選択。
この判断により、ウィンカップは最初のピットストップで計算上はモスタートの直後にコース復帰……となるところまで近づいたものの、昨日ペナルティを受けた予選時と同様、ファストレーンを走行中の他車に対してのアンセーフリリースを避けるべくタイムロス。
このウィンカップのロスを活用して、最後のピットストップでふたたびウィンカップの背後に迫ったマクローリンは、49周目にコース上でRBRAのマシンを捉えて2番手に浮上。そのままトップのモスタートにぐんぐん迫っていく。
その直後、コース上でのパンク多発を受けデブリ除去のためセーフティカーが導入され、2台はさらに一騎打ちの展開に。
しかし、SCアウトのリスタートで冷静なドライビングを見せたモスタートは、DJRペンスキーのマシンを突き放してトップチェッカー。絶好調のマクローリンを下しての価値ある今季2勝目を挙げた。
最後の3位表彰台には、チームメイト同士のバトルを制したRBRAのSVG、4位にウィンカップと続いた。
これで選手権ポイントは1896ポイントの首位マクローリンに対し、2番手ウィンカップが129ポイント、3番手クルサードが233ポイントの差で追う展開となった。
次戦VASC第9戦は8月18~20日にシドニー・モータースポーツパークを舞台に開催される『シドニー・スーパースプリント』となる。