2017年08月04日 11:13 弁護士ドットコム
「僧侶の脱税を証明する方法はありますか?」弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな質問が寄せられた。
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投稿者によれば、問題の僧侶は寺院から月給20万円をもらい、控除額を除くと手取り年収で150万円程度になっているそうだ。しかし、僧侶は檀家からのお布施ももらっていて、それは直接懐に入れているそうだ。
お布施をもらって、寺院を通さずに懐に入れた場合、脱税にはならないのだろうか。田邊美佳税理士に聞いた。
そもそも宗教法人の税金はどうなっているのか。
「宗教活動に伴う収入や宗教法人の資産から生じる収入は、全て宗教法人の収入となりますので、お布施、奉納金、会費、寄付金、献金等は全て寺院の収入になります。
なお、宗教法人は公益目的の法人ですので、収益事業から生じた所得(例えばお守りやおみくじ等の販売による所得)にのみ課税がなされ、宗教活動に伴う収入については非課税となっています。ですから、檀家からもらったお布施は本来寺院の収入であり、お布施については非課税となっています」
僧侶が檀家からのお布施を直接懐に入れている場合はどうなのか。
「お布施は宗教法人の収入となるべきものですので、僧侶が直接もらった場合には、寺院から僧侶に対して給与の支払いがあったものとされます。僧侶個人の給与については、会社の従業員と同様源泉徴収され、年末調整を行う事になります。
ですから、僧侶が直接受け取ったお布施は非課税にはならず、給与所得として課税されることになりますので、適切に申告をしていない場合には脱税となりますので注意が必要です」
【取材協力税理士】
田邊美佳(たなべ・みか)税理士
オネスタ税務会計事務所所長。公認会計士・税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー。相続税申告、生前対策業務をメインに行っており、国際相続案件にも対応可能。
事務所名 : オネスタ税務会計事務所
事務所URL:http://www.onesta-tax.com/
(弁護士ドットコムニュース)