IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)に参戦し、90号車ライリーMk30・ギブソンを走らせているビジット・フロリダ・レーシングは、8月4~5日に開催される第9戦ロード・アメリカを前に参戦車両を変更すると発表した。
長らくIMSAシリーズの最高峰として活躍したデイトナプロト(DP)に代わり、LMP2カーをベースに各自動車メーカーが独自のデザイン、エンジンを組み込んだ新型プロトタイプマシン、DPiが登場したWSCCの2017年シーズン。
前年までコルベットDPを使用していたビジット・フロリダ・レーシングは今季、開幕戦のデイトナ24時間からライリーとマルチマチックが共同で開発した新型LMP2マシン、ライリーMk30・ギブソンを使用してきたが、デイトナでの総合3位獲得以後は成績が低迷。
第2戦から第7戦までの6ラウンドでは、第6戦ワトキンズグレンで記録した総合5位を除いた5戦すべてで総合25位以下という厳しい結果となっている。
このような状況から、チームはシーズン途中でのマシン変更を決断。フランスのオンローク・オートモービル社が開発したリジェJS P217を終盤の3戦に投入することとなった。
チームオーナーのトロイ・フリスは「我々はリジェJS P217がアメリカだけでなくヨーロッパでも通用することを見てきた。デビュー戦となるロード・アメリカではマシンについて多くのことを学びたいと思っている」と語った。
また、マーク・グーセンスとともにレギュラードライバーを務めるレンジャー・バン・デル・ザンデは「リジェへのスイッチによって最後の3戦はエキサイティングなものになるだろう」とコメントしている。
「オフシーズンから懸命に努力をしてくれていたチームには最大級の感謝しているけれど僕たちは今年、新しいライリーのマシンでペースを上げることにとても苦労してきたんだ」
「すでにリジェからは良いサポートを受けていて、彼らの助言やセットアップは週末に向けて大いに役立つはずだ。うまくいけば表彰台争いができるかもしれないね」
今季のWSCCにはキャデラックDPi-V.R、マツダRT24-P、ニッサンDPi、3メーカーのDPiマシンのほか、オレカ07・ギブソン、リジェJS P217・ギブソンといったLMP2カーもフル参戦しているが、今回ビジット・フロリダ・レーシングがマシンを変更したことにより1台のみの参戦に留まっていたライリーMk30・ギブソンが一時的にシリーズから姿を消すことになる。
また、ライリーMk30ベースのマシンで戦ってきたマツダ・モータースポーツも先月、チーム・ヨーストとの提携が発表された際に2018年シーズンに向けた開発を行う名目で終盤3戦への参戦を取りやめることをアナウンス。
このため、WSCCでは第9戦以後の3戦において、ライリー/マルチマチック製シャシーのマシンが不在となることが濃厚となっている。