保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービスを行うウェルクスは8月3日、「複数担任制」についてのアンケート調査結果を発表した。ほぼ全ての保育士が「複数担任制にストレス経験がある」と回答していることなどがわかった。
調査は今年7月10日~17日の間、保育士や幼稚園教諭などを対象に実施。98人から回答を得た。
「主担任が勝手に決めて、知らされることなく物事が始まる」
「複数担任でクラス運営を行う際に、ストレスを感じたことはありますか?」を聞くと、「ある」の回答が97%と圧倒的に多い。
「ストレスを感じたことがある」と回答した人に対して「どのような点でストレスを感じるか」聞くと、「情報共有・報告連絡相談がうまくできない」(66%)が最も多かった。「業務分担がうまくできない」「一人の方が気が楽である」(共に44%)、「人任せになる保育士がある」(43%)などが続いた。
実際にストレスを感じたエピソードには以下のようなものが挙がっている。
「主担任が勝手にどんどん決めていって、知らされることもなく、ものごとが始まっていく。ことごとくこちらのやることは否定されて、自分がやることは全てOKという、矛盾がとても辛かった」
「3人担任をしていたとき、2対1の構図になりやすく、2人は共有している情報がもう1人に伝わらなかったり、2人で相談したことが担任全員の総意として、ものごとが進んだりすることがあった」
ほかには、「年下だからといって意見を聞いてもらえない」「保育の方向性や考え方の違いなどで、お互いの意見交換や意思疎通がないまま、押し付けられた保育になってしまうことがあった」など、複数担任制ならではの人間関係の難しさが多い。
「ストレスゼロはありえない 考えを都度話し合うことでストレスは減る」
「どのようなことを心がければ、よりストレスなく複数担任でのクラス運営ができると思いますか?」と聞くと、「情報共有、報告連絡相談をこまめに行う」「困った際に助け合うことを心がける」(共に66%)で最多。「相手の話・意見をよく聞く」(59%)、「保育の方針や、行動方針について統一できるよう事前に決めておく」(51%)が続く。
複数担任制の大きなストレスになっている「情報共有」は、どうすればよいのか。自由回答には、
「相手を思いやる気持ちを忘れない。立場に上下をつけずに同等の関係なのだという意識を持つ。相手を尊重する」
「複数担任でストレス『0』はあり得ないと思う。しかし考えをその都度話し合う事で理解し合え ストレスは減ると思う」
などが寄せられている。