トタル・スパ24時間は7月29~30日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで24時間の決勝レースが行われ、2台のニッサンGT-RニスモGT3で参戦したモチュール・チームRJN・ニッサンは、23号車GT-R(千代勝正/アレックス・バンコム/ルーカス・オルドネス)が総合13位、僚友22号車GT-R(マット・パリー/ストルアン・ムーア/マット・シモンズ)は総合30位でチェッカーを受け、2台揃って完走を果たした。
2017年シーズン、ブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップにフル参戦しているチームは、スパ24時間の前哨戦、第3戦ポール・リカールで23号車GT-Rが予選32番手から5位入賞を飾る好調さをみせたほか、スパの予選でもトップ10につけており本戦での活躍にも期待が高まっていた。
迎えた決勝、23号車GT-Rは10番手グリッドからスタートし最初の2時間を順調に終える。しかし、2回目のピットストップを終え、3スティント目に入ったタイミングで突如左リヤタイヤがパンク。緊急ピットインを迫られることとなった。
このアクシデントのほかにブレーキトラブルにも見舞われた23号車は、一時20番手台まで順位を落としたが、最終的に63台中、総合13位でチェッカーを受けている。
スタートドライバーを務めたバンコムは「僕らにできることはすべてやったけれど、勝利の女神は微笑んでくれなかった」とコメント。
「予定外のピットインが2回もあり順位を落としてしまった。しかし、それ以外はいいペースで走ることができていたんだ。トップ10フィニッシュは逃してしまったけれど、チームのハードワークのおかげでいい成績を残すことができたよ」
また、自身のスティント中にパンクに見舞われた千代も「途中いくつかのトラブルで予定外のピットストップがあり、トップから周回遅れになってしまいましたが、レース中はトップグループと大差のないペースで走れました。このことは大きな収穫だったと思います」とペース面ではポジティブな結果だったことを認める。
「スパ24時間は毎年レースの競争レベルが上がっていて、(現在は)24時間スプリントのようなレースを展開しています」
「その中でドライバーとして24時間集中力を切らさず走り続けるのは本当にタフな戦いになりますが、こういった世界でも有数のレースに出ることで、自分自身も鍛えられ、多くの学びがあるので、この経験を将来に活かしていきたいと思います」と、さらなる高みを目指す姿勢を覗かせた。
チームが走られせるのもう1台のマシン、22号車GT-Rは木曜日に行われた公式予選1回目でパリーがスパ名物の高速コーナー、オールージュでクラッシュ。パンクに起因するこのアクシデントによって、マシンのフロント部は大きなダメージを受けてしまう。
チームの懸命な修復作業によって決勝への出走が叶った22号車GT-Rだったが、スタートからわずか1周目に燃料系統にトラブルが発生しコース上でストップ。序盤から周回遅れとなってしまった。
再スタートを切った22号車GT-Rはその後、順調に周回を重ねながら63番手から20番手まで順位を上げていくが、チェッカーまで残り1時間となったタイミングで、今度はギヤボックスにトラブルが発生。修復後にコースに戻った22号車GT-Rは総合30位でチェッカーを受けている。
ブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップの次戦は9月30日~10月1日、最終戦(第5戦)がスペイン・バルセロナで行われる。