インディカーは8月1日、ミド・オハイオで2018年に投入する共通エアロキットのロードコース仕様をテスト。その外観を公開した。
現在、エンジンサプライヤーであるホンダとシボレーがそれぞれ製作しているエアロキットは、2018年からシャシーを供給するダラーラ製の共通キットに置き換えられる。
この共通エアロキットはコースに合わせて2種類が用意され、7月末にはオーバル仕様のものを公開済み。今回、ミド・オハイオでテストされたのはロード/ストリートコースとショートオーバルで使用されるものだ。
ミド・オハイオでのテストには、7月にインディアナポリスで行われたテストと同様、ファン・パブロ・モントーヤとオリオール・セルビアが参加。モントーヤはシボレーエンジン搭載車を、セルビアはホンダエンジン搭載車をドライブした。
ふたりは単独で走行を重ねたほか、実戦を見据えたタンデム走行も実施。両者とも100周以上を周回した。
「今のエアロキットとは別物だけど、感触は上々だ」と語るのはモントーヤ。
「新しいマシンは、少しのミスを許容してくれる余裕がある。ただ、ダウンフォースが減少してるからマシンはスライドしやすくなっているんだ。この方が僕好みだけどね」
「来年はステアリングを忙しく操作するドライバーの姿が見られると思うし、マシンの挙動も乱れやすくなるはずだ」
「ミスをする確率が上がるわけだから、見ごたえのあるレースが展開するはずだよ」
またセルビアも「現行マシンのようにダウンフォースが多いと、ドライバーがどんな仕事をしているかが見えにくい」とモントーヤの意見に同調する。
「ダウンフォースが減り、マシンの挙動変化が顕著になれば、ドライバーが何かをしているのは分かる。それがどういった行動なのか分からなくても、ドライバーが戦っている姿が分かるのは楽しいはずだよ」
また、この共通エアロキットはマシンのアンダーフロアからダウンフォースを生み出し、オーバーテイクを妨げるタービュランスを抑制する狙いもある。
この効果についてセルビアは「今年のマシンより素晴らしく、最高だ」と評価した。
「僕がレースを戦った6月のデトロイト戦では、低速コーナーでもライバルに追いつくことができなかった。それだけタービュランスが発生していたんだ」
「今日テストしたマシンもダウンフォースはあるけど、バランスが絶妙なんだ。(ライバルに接近すると)現行マシンではリヤが不安定になるけど、今年のマシンはフロントが少し不安定になる程度。これには驚かされたし、ポジティブな印象を持ったよ」
引き続き、この共通エアロキットのテストは8月10日にアイオワで、9月26日にセブリングで行われる。