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間宮祥太朗、川栄李奈らが本能剥き出しの怪演!『僕たちがやりました』ジェットコースター展開が加速

2017年08月02日 11:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 プーケットへの高飛びを目論み、空港に到着したトビオ(窪田正孝)の目の前で“パイセン”(今野浩喜)が逮捕されて幕を閉じた先週の第2話。いよいよ1日に放送された第3話から、『僕たちがやりました』の物語の要となる逃亡劇が始まるのだ。


参考:窪田正孝と永野芽郁“11歳差”キスシーンに悶絶 『僕たちがやりました』青春描写の面白さ


 学校にも行けず、家にも帰りづらくなったトビオは、マル(葉山奨之)を呼び出し、口止め料としてもらった金で「死ぬまでにしたいこと」をリスト化して実行に移す。ところが、トビオが眠っている隙に、マルはトビオの金を奪って姿を消してしまう。部室に隠しておいた残りの金を取りに学校に忍び込んだトビオは、そこで菜摘(水川あさみ)に遭遇。事件前日に“パイセン”を目撃したと証言した矢波高の教師・熊野(森田甘路)が爆発に関与しているのかも、と聞かされるのだ。


 第3話になってもこのドラマの持ち味である“ジェットコースター展開”は落ち着くことを知らず、ひたすら加速していくばかりだ。常にトビオを中心にストーリーが展開していくのだが、たった1話の中で、ほぼ全ての主要な登場人物との共演シーンが登場し、この先の展開に関わる重要な伏線を組み立てていく。しかも、油断する隙を与えないハイスピードさに加え、各々のキャラクターの個性がますます強烈になることで、放送枠の1時間が一瞬のように思えるのだ。


 何と言っても、トビオの仲間であるマルと伊佐美(間宮祥太朗)が一気にキャラ立ちをした今回。原作さながらに、本能をむき出しにした怪演を見せ始めるのだ。トビオに呼び出されて、女装してカラオケボックスに現れたマル(予想外にこれが似合っているのだが)。本作のキャラの中でももっとも“クズ”であると悪名高いマルによって、トビオは窮地に追い込まれるのである。


 そもそも一連の事件の発端は、マルが矢波高校の悪口を言ったことから始まることを忘れてはなるまい。ボコボコにされた彼の復讐のために爆弾を仕掛けたことで、大惨事に繋がったのだ。しかも、第2話ではニュースで流れる事件の報道に不敵な笑顔を浮かべたマル。自分を弱い人間であるとセルフプロデュースすることに長け、巧妙に相手を欺くこのキャラクターは、このあとも“クズっぷり”を見せつけ、主人公たちを混沌に陥れるに違いない。


 そして、先週の放送では完全に消沈した様子で、首吊り自殺を図った伊佐美だったが、(ドラマ的にとてもおいしいタイミングで)無事な姿でトビオの前に戻ってくる。まるで何かが吹っ切れたかのように、「心に生きると書いて“性”!」という名言を携え、暴走し始めるのだ。トビオやマルには無い、冷静さは失ってはいないようには見えるが、危なっかしさと面白さが増している。


 この二人以外にも、川栄李奈演じる今宵にも注目したい。ドラマ化が発表されたときから不安と期待が入り混じる声が上がっていたが、着実にお色気シーンが増え始め、原作に近付いてきた。しかも今回の放送前に場面写真が公開された、窪田正孝のサービスショットを、彼女が「うぇーい」の掛け声とアクションで一気に奪い去ってしまうのだから驚異的だ。奔放なキャラと、家庭的な一面とのギャップで今宵というキャラクターの魅力も急上昇であろう。


 一方で、蓮子(永野芽郁)の元に刑事の飯室(三浦翔平)が訪れる終盤。新城毅彦がメイン演出を務めるこのドラマで、密かに注目していた『ひるなかの流星』チームの共演シーンがようやく実現するとは。しかし今回は新城ではなく瑠東東一郎の演出回。次週か、その次か、新城演出回でこの二人のシーンを観られることを楽しみにしておきたい。


■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。