大波乱のラリーを堅実にフィニッシュ
ラリー・フィンランドの最終日、スペシャルステージの走行距離は比較的短いものの、ファンは最後の最後まで目を離すことができない接戦が繰り広げられました。
シトロエン・トタル・アブダビWRTのC3 WRCは、クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン組とクリス・ミーク/ポール・ナゲル組が、それぞれ5位と8位でフィニッシュ。
多くのドライバーが脱落する難しいラリーで、2台がポイント圏内で完走しました。また、カリッド-アル・カシミ/クリス・パターソン組は16位でラリーを走り切っています。
ラリー・フィンランドの最終日に設定されたスペシャルステージは、レンパー(6.80km)とオイッティラ(10.12km)の2箇所。これらを2回ずつ走行します。これらの合計距離は、イベント全体のSS総走行距離の10%程度でした。
◆レンパーで勢いをつかんだブリーンは、オイッテラではさらに積極的なドライビングで攻めていきました。しかし、多くのドライバーと同様、グリップの低いコンディションに苦戦。ジャンクションをそのまま直進してしまい、タイムを失いましたが、それでも総合5位でのフィニッシュを果たしました。
◆総合順位ではオット・タナク(Mスポーツ)とダニ・ソルド(ヒュンダイ)の間で前後とのタイム差が開いた状態となったミークは、総合8番手を堅守するアプローチを選択しました。ラリーの序盤から自信をつかみきれずに苦戦を強いられたミークは、リスクを負うことを避けてラリーを走り切りました。
◆これらの難しい状況下で、シトロエン・トタル・アブダビWRTのドライバーたちは、パワーステージでの上位5人に与えられるボーナスポイントを無理に狙わず、完走を果たすことを最重要目標としました。
◆ブリーンは今季5度目となる総合5位でフィニッシュし、ドライバーズ選手権では7位に浮上しました。3月にラリーメキシコで勝利して以降、同じ順位に留まっていたミークも、8位に順位を上げました。アル‐カシミは16位で完走を果たしています。
チームコメント
■イブ・マトン(シトロエン・レーシングチーム代表)
「チームとしては、最終日に無理をしてもあまり多くのものを得られないと判断したため、ドライバーには自分のポジションをしっかり守って完走してもらいました」
「ポーランド同様、3台がそろってフィニッシュし、意味のあるデータをたくさん収集することができました。路面のコンディションによってC3 WRCの速さは変化しましたが、どの部分に手を入れなくてはならないか、私たちは理解しています」
「今は、次戦のドイツでふたたびターマックラリーに挑むことを楽しみにしています。シトロエン・レーシングにとって、ドイツはWRCとなった2002年から11回連続で勝利を記録した特別なラリーです」
■クレイグ・ブリーン
「純粋なパフォーマンスという意味では、ベストと言える日ではありませんでした。通常のコンディションでは上位とのタイム差を縮めることが難しく、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)とのタイム差を維持することだけに専念しました」
「難しいラリーを5位で終えられた点は良かったのですが、シーズンの終わりまでにはふたたび表彰台に上がりたいと思っています!」
■クリス・ミーク
「最終日の走行距離はそれほど長くありませんでしたが、フィンランド独特の高速コースで構成された実のある1日になったと思います。リスクを冒す必要のないポジションであったことに加え、自分のドライビングに対する自信も少し不足していたので、マシンを無事にフィニッシュさせるよう安全に走りました」
■カリッド-アル・カシミ
「前日と同じように、スタート順が一番手だったため、路面コンディションが難しい状態での走行となりました。特に午前中は道がとても滑りやすく、グリップレベルを判断することは至難の業でした」
「このため、手応えをしっかり感じられないまま走っていましたが、それが今の自分にできる精いっぱいのドライビングでした」