モンスターエナジーNASCARカップは7月30日、第21戦ポコノが行われ、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が2017年シーズン初優勝を達成。トヨタにカップ・シリーズ通算100勝目をもたらした。
“トリッキー・トライアングル”とも呼ばれるポコノ・レースウェイでの争いは、6月に行われた第14戦以来、シーズン2度目の開催。前日の予選でシーズン5度目のポールポジションを獲得したカイル・ブッシュは、決勝でも順調な滑り出しをみせる。
レースは1周目から多重クラッシュが発生する波乱の幕開けとなったが、ラップリーダーのカイル・ブッシュは危なげない走りでトップを快走。50周目までのステージ1を制した。
続く100周目までのステージ2も、カイル・ブッシュがトップを走行するが、ステージ中盤、カイル・ブッシュはマシンのハンドリングに不調を訴えペースダウン。またステージ終了間際にはルーティンのピット作業も行ったため、ステージ20位でチェッカーを受けることに。
このステージ2はクリント・ボウヤー(フォード・フュージョン)がトップチェッカーを受けている。
迎えた160周目までの最終ステージ、ステージ2の上位につけたドライバーたちがインターバルの間にピットへ向かったため、カイル・ブッシュを始めとするトヨタ勢は上位に浮上。マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)がトップ、デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が2番手、カイル・ブッシュが5番手につけた。
ステージ3はイエローコーションが出ず、グリーンフラッグ下で争われ、カイル・ブッシュは前を行くトヨタ陣営よりピットインのタイミングを遅らせ、フレッシュタイヤで追い上げる戦略に出る。
143周目にトゥルーエクスJr.を交わして3番手に浮上したカイル・ブッシュは、ハムリンとケビン・ハービック(フォード・フュージョン)が展開する優勝争いに加わっていく。
カイル・ブッシュはハービックがハムリンのインをついてオーバーテイクしたのに続く形で、ハムリンを交わして番手に浮上する。その勢いのまま、バックマーカーのドラフティングも利用してハービックに接近すると、144周目のホームストレートでハービックを攻略。トップに返り咲いた。
その後はハービックらとのギャップを広げると、6秒もの大量リードを築いてチェッカー。2016年7月の第20戦インディアナポリス以来となる勝利を手にした。
また、2007年にNASCARカップ・シリーズに参戦を開始したトヨタにとっては、これが通算100勝目。なお、2008年の第4戦アトランタでトヨタに初優勝をもたらしたのもカイル・ブッシュだった。
「今年はフラストレーションが溜まるシーズンだけど、今日は素晴らしい日になった」とカイル・ブッシュ。
「そして祖母がなくなってから初めてビクトリーレーンに来ることができたレースでもあり、そういった面でも感慨深い。この勝利は彼女に捧げるよ」
2位はハービック、3位はトゥルーエクスJr.が獲得。終盤、2番手を走行していたハムリンは4位でチェッカーを受けている。
モンスターエナジーNASCARカップ第22戦は8月6日、ニューヨーク州ワトキンス・グレンのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。