7月27~30日に行われたWRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドのWRC2クラスに挑んだ新井大輝(フォード・フィエスタR5)と勝田貴元(フォード・フィエスタR5)。両者はシリーズ屈指の高速戦で速さをみせたが、完走はならなかった。
トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム、『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している新井と勝田。ふたりにとって、このラリー・フィンランドは2016年に出場経験があり、1年間の成長をアピールする場でもある。
新井は28日(金)のデイ2、マシントラブルを抱えながらも堅実な走りでクラス3番手を確保。翌日は過給圧トラブルに速度を上げられず、クラス5番手までポジションを落としてしまう。
迎えた最終日、新井は気持ちを新たに臨んだが、SS23でコースオフした際に立ち木にヒット。走行を続けることができなくなりリタイアを余儀なくされた。
一方の勝田は、デイ2スタート直後にエンジンルームに石が入り込み、それが影響してオルタネータベルトが切れる不運に見舞われる。
勝田はロードセクションで修理を試みたが、規定時間までにSS3のスタート地点へたどり着けずデイリタイア。苦しい船出となった。
翌29日(土)の走行に復帰した勝田は、名物ステージであるオウニンポウヤを走るSS16とSS19で、それぞれクラス2位、クラス3位のタイムを獲得する好走をみせ、この勢いのまま30日(日)の最終日に臨んだが、オープニングのSS22でハーフスピンした際にラジエーターを破損。惜しくもリタイアとなった。
「今回はマシントラブルも多かったので、その状況でどうやってクルマをゴールまで運べるかを考えてラリーを進めていました」と新井。
「そんななかで多くの学びがあったのですが、最終日に些細なミスでクルマがラインから外れてしまいラリーを終わらせてしまいました。前戦、前々戦とリタイアが続いており、悪い流れを断ち切りたかったのでとても残念です」
「今後、WRCのような長いイベントでトラブルが起きたときの対処の仕方や、ストレスの持っていき方など、ノートや運転のスキルだけでなく、自分自身に向き合ってさらに成長したいと思います」
また、勝田も「最終日のSS、ごく普通のコーナーでハーフスピンしてしまい、クルマへのダメージからリタイアとなりました」と悔しさをにじませる。
「レッキも含めこの1週間で得たこと、感じたことはポジティブなことが多かっただけに、小さなミスで完走できなかったことがとても悔しいです」
「昨年、このラリーを走ったときに比べ、ペースノートもドライビングも自分自身でとても成長を感じることができました」
「それだけに結果は本当に残念ですが、今回の走行で自信を得ることもできたので、そのフィーリングを保ちながら、次回以降は『走りきる』ことに重点を置いて挑みたいと思います」
新井と勝田が挑む次のラウンドは、9月8~9日に行われるフィンランド・ラリー選手権第6戦ウーシカウプンキ・ラリー。なお、この第6戦にはコドライバーとしてラリーチャレンジプログラムに参加している足立さやかも参戦する。