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MORIWAKI MOTUL RACING 鈴鹿8時間耐久ロードレース レースレポート

2017年07月31日 18:52  AUTOSPORT web

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#19 MORIWAKI MOTUL RACING ダン・リンフット 清成龍一 高橋裕紀
The 40th "Coca-cola" Suzuka 8hours Endurance Race

MORIWAKI MOTUL RACING、9年ぶりの鈴鹿8耐は27位でチェッカーを受ける。

 MORIWAKI MOTUL RACINGの2017年鈴鹿8耐が本番を迎えた。この日のために1年以上前から準備を重ねてきた。自分たちの手でマシンを造り上げ、自分たちの手で闘う、モリワキの精神を受け継ぎ、満を持して投入された新型CBR1000RR SP2を自らの手でモディファイしたCBR1000RRモリワキ改で闘いに挑んだ。

 真夏の祭典と呼ばれる鈴鹿8耐であるが今年は天候が安定せず、雨が多いレースウィークとなった。決勝日も朝からどんよりと黒い雲に包まれ、朝のフリー走行では強い雨が降ってきた。セッション終盤には雨脚が弱まるもののウェットコンディションでの走行となった。路面が乾くのかウェットのままなのか、タイヤ選択が難しくなると思われたが、決勝レースのスタート進行時にはドライコンディションとなった。

 午前11時30分、8時間後のチェッカーを目指して決勝レースがスタートした。スタートライダーは清成龍一。スタートに定評のある清成だが大きく出遅れてしまい、オープニングラップを19番目で通過する。清成は慌てず冷静に2分10秒台前半でラップする。しかしここで雨が落ちてくる。西コースでは路面が黒くなりモリワキもウェットタイヤを用意してピットインに備えたが、逆に清成はこの機に乗じて順位を上げていく。雨は止み路面コンディションはドライに戻ってくる。27周目、清成は14台を抜き去り5番手で高橋裕紀へバトンを渡す。 しかしここでシケインのアクシデントによるセーフティカーが入り、ピット作業を終えた高橋がピットロード出口で止められてしまい、5番手で受け取ったバトンが11番手のコース復帰となってしまう。

 高橋は2分10秒後半から11秒台のラップタイムで周回して着実にポジションアップ、7番手に順位を上げた54周目にピットイン、清成にライダーチェンジする。2回目の走行となる清成はコースイン直後の57周目に29秒台に入れる。58周目に2分9秒819、そして60周目には2分8秒887のチームファステストまでペースを上げる。しかしその直後の61周目、S字で転倒を喫してしまう。幸いにエンジンは止まらず自力でピットへ帰還、素早い修復作業を行い約10分でマシンを修復、清成のままコースへ復帰、その時点での順位は55番手までポジションダウンしてしまう。

 しかし決して諦めないのがモリワキスピリット。高橋も清成も2分10秒台から11秒台のラップタイムで周回を重ね、チームもピット作業でミスを犯さず、チーム一丸となって怒濤の追い上げをみせる。

 9年ぶりの復活となったモリワキの鈴鹿8耐挑戦は27位でチェッカーを受けた。決して納得のいく順位ではないがこれもレースである。新型マシン、新しいタイヤメーカー、何もかもが新しい環境の中でスタートした鈴鹿8耐への挑戦。その困難さは最初から見えていた。その厳しさの中に敢えて身を置いて更なる高みに挑む。「モノ作りにこれでいいと言う終わりはない。」と言うモリワキの企業精神に基づきライダー、チーム、スタッフ、社員、全てが鈴鹿8耐の頂点を目指して突き進む。来年の鈴鹿8耐へ向けてのチャレンジは今日から始まる。

 皆さまからの熱いご声援、誠にありがとうございました。 これからもモリワキの挑戦にご期待ください。

高橋選手コメント
「あっという間に終わってしまった、と言う印象です。事前テストから本日の決勝レースまでの間にいろいろと課題を見つけました。来年へのリベンジに向けて良くも悪くも貴重なデータを収集できました。昨年から8耐への準備をしているとは言え、大きく環境が変わった今年から実質スタートしたようなものです。そう言う意味では半年間で良くここまで持って来れたな、と思う反面、トップとの歴然たる差があるのだということをことごとく見せつけられました。 この鈴鹿8耐を通じてこんなにもの長時間マシンに乗れたことは今後の全日本ロードにも活かされると思います。8耐のトップは全日本ロードのトップに通じると思うので、これから全日本ロードでデータを蓄積してトップを目指せるようになれれば鈴鹿8耐でもトップを狙えるようになると思います」

清成選手コメント
「鈴鹿8耐は難しい、のひとことです。マシン、モノ、人、ライダー、全てが揃わなくてはいけませんし、そのタイミングも大切です。人間でできることは全てやりました。人間にはできないことが予想以上に難しく解決に至りませんでした。モリワキのチームスタッフ、メカニックにはいくら感謝しても足りないほど感謝しています。決勝レースは、スタートで出遅れたりピットアウトのタイミングでセーフティカーに引っかかったりしましたが、それ以外はミスもなくチームが完璧な仕事をしてくれました。転倒したのはタイヤにかける負担の前後バランスを変えようと思って走った矢先にフロントから切れ込んでしまいました。マシン修復後のフィーリングは悪くなかったのでこれ以上の転倒は無いように気をつけながら走りました。 8月には全日本ロードレースもてぎがありますので気持ちを切り替えて頑張りたいと思います」

DAN LINFOOT選手コメント
「全ての面で楽しみました。グリッドにつく所からレースを観戦する所まで全てです。 見ての通り僕ば今日はレースに参加はしてませんし、キヨとユウキがレースを実際に走り、それを見てるだけでも楽しかったです。不幸にもキヨが第2スティントで転倒してしまいましたが、不幸中の幸いでしょうか、バイクをなんとかピットまで運ぶことができてチームのメカニックが素早い対応をしてレースを完走させてくれました。僕にとっては見ることも大事ですが、やはりライダーとしては走りたかったですね。ですが、キヨとユウキのリザーブライダーとして参加させていただいたので全てにおいて満足しています。モリワキというチームは素晴らしいチームです。レーシングチームとしてプロフェッショナルでありながら皆さんとても親切丁寧で僕は困ることがありませんでした。また来年今度こそはライダーとして是非このチームでもう一度参戦したいですね。チームの皆さんに感謝したいです。このような機会を与えていただき本当にありがとうございました。」