WRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドは7月30日、SS22~25が行われ、トヨタの若手ドライバー、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が優勝。チームに第2戦スウェーデン以来の総合優勝をもたらした。またチームメイトのユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3位表彰台を獲得している。
■Mスポーツ
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)/総合7位
「今週末は地元フィンランド出身のドライバーたちが圧倒的だったけど、その戦いに加わるペースはあったと思う。ラリーの早い段階で失望を味わう羽目になったから、どこまで戦えたかは分からないけどね」
「ここフィンランドでトップタイムを記録するには絶対的な自信が必要だ。そして優勝争いをしていないときに、それを見いだすことは難しい」
「それでも、まずまずの週末だった。フィンランドでのドライビングはいつも楽しく、パワーステージでは最速タイムで僕らのスピードを示すことができた」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/総合2位
「ラリー・フィンランドを総合2位で終えられて本当に喜んでいる。特に、(競技2日目の)金曜夜の段階では、こうなるとは思えなかったからね。僕らはプッシュし続けて、上位のポジションを取り戻すことができた。すごくポジティブな週末の終え方だったよ」
「金曜日は僕らにとって難しい1日だった。事前テストなしでスタートして、初日を通してマシンのバランスにかなり苦労していた。いくらか変更を施したことが奏功した」
「長いステージとドライ気味のコンディションも味方したね。僕らは順位を上げる方向へ進み始めたんだ。すべてはそこから始まった」
「今朝になって、すごく困難な状況に陥った。今季ベストのリザルトを手にするためにプッシュしたい気持ちがあったけど、同時にチームのためにポイントを稼ぐことも重要だった」
「だから、全開アタックにはならなかったけど、最後にはすべて上手くいった。優勝はしていないけど、それでも強力な週末だったから、今週末の戦いぶりには満足している」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合6位
「この週末は(セバスチャン・)オジエよりも多くポイントを獲得することを目標にしていたが、これを達成することができた。かなり難しい週末をすごしたから、少しでも多くのポイントを手にすることが重要だったんだ」
「とくに(最終SS25の)パワーステージは鍵となる場面だった。ランキングでトップに立つためには、あと3ポイント必要だったけど、これを獲得できた。これで今シーズン残りの4ラウンドは(オジエと)対等な立場で戦えるから、重要なものだった」
「皆がハードにプッシュしてきて、僕たちも戦い続けなければいけないことは分かっている。この困難だったラリーのことは脇に置いておいて、次の(第10戦)ラリー・ドイチェランドに目を向けなければ」
「ドイチェランドはチームにとってのホームイベントだし、過去の経験から僕たちがパフォーマンスを発揮できるラリーだしね」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合9位
「今回のラリーが終わってホッとしたよ。週末の間、つねに違和感を感じていた。それに高速のコースでは全力を尽くして走る必要があったんだ」
「僕だけでなく、チームにとっても困難なラリーだったけど、今週末のことを気に病んでいるわけにはいかない。僕たちはラリー・ドイチェランドでの勝利のために集中し、全開でプッシュしていかなきゃならないんだからね!」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合43位
「僕たちにとっては、ついてない週末のひとつだった。金曜日と土曜日にデイリタイアした後、ファイナルステージはポジティブに取り組んで、走行時間を積み重ねようと思った」
「このラリーは僕たちのシーズンを絵に描いたようだ。失敗する可能性のあることは、必ず失敗してしまうということさ。パワーステージがいい例だよ。3速で進入するべきコーナーなのに、マシンが突然まっすぐ進んでしまったんだ」
「それでも僕たちはフィニッシュ地点までたどり着くことができた。いつの日か、運の悪かった今年を振り返って笑えるようになるだろう。今週末は表彰台を争うことも不可能ではなかったと思う。それがポジティブな収穫だったよ」
■シトロエン/シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)/総合8位
「カバーする距離は長くないけれど、それでも今日の走行は典型的な高速なフィンランドステージだったね」
「リスクを負ってまで得るものがなかったし、自信も持てなかったので、完走できるように慎重に走行したよ」
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/総合5位
「純粋なパフォーマンスという点では、僕たちにとって最高の日というわけではなかった。通常のコンディションではトップグループに追いつけないと分かっていたから、ティエリー・ヌービルを押さえ込むことに集中していた」
「総合5位だって良い結果だけど、今シーズンが終わるまでには表彰台に戻りたいと思っているよ!」
●カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC)/総合16位
「昨日と同じく僕の出走順は1番手だったので、そのせいでより難しい仕事になってしまった」
「午前中、道路はとても滑りやすく、グリップレベルを読み取るのが簡単ではなかった。フィーリングを得られないまま走行していた。それ以外できることはほとんどなかったんだ」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合21位
「昨日起きたトラブルを解決し、幸いにも再出走することができた。最初の3本のSSではベストタイムを記録するなど調子が良く、最終SSのパワーステージもうまく走れたけど、僕より後の選手が走った時と比べると道が滑りやすかったから、2ポイントを獲得するのが精一杯だった」
「僕にとってはもっと良い結果を得られたはずのラリーだったけど、エサペッカが初優勝し、ユホが初めて表彰台に上がるなど、チームにとっては素晴らしい1戦になった。彼らは本当に良くやったと思う」
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)/総合3位
「今日は総合2位をターゲットに全力で戦ったが、いくつかミスをしたため目標は叶わなかった。それでもWRCで初めて表彰台に立つことができて嬉しく思うよ」
「僕にとってはとても良い週末になり、結果にも満足している。僕を表彰台に導いてくれたクルマと、チームに感謝する」。
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合優勝
「僕は普段それほど感情的な人間ではないんだけど、今回ばかりは違う。まったく、何で素晴らしいラリーなんだろう!」
「このような良い結果を得られるとは想像すらしていなかったから、本当に驚いている。短い時間で素晴らしいクルマを作り上げたチームに、心から感謝したい」