F.C.C. TSRホンダ 3位表彰台 2016-2017 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)最終戦
“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第40回記念大会
決勝レースは3位フィニッシュ!
土曜日のトップ10トライアルで最終グリッド4番手で決勝レースに臨んだF.C.C. TSR Honda。スタートライダーはドミニク、そしてランディの2名での構成としてレースを戦うことにした。
好スタートを切ったドミニクは、自分のポジションを見極めながらも4周目に2分8秒460のレースベストタイムをマークして4位~5位あたりをキープして走行を続ける。10周目を過ぎたあたりの雨により、一旦は順位を6位まで落としたものの、路面状況が良くなると同時に順位も回復、4位に復帰するがその直後の28周目に転倒車両の影響でセーフティカーが導入されて中立状態となる。そしてライダーの判断で当初の予定ピットイン周回を伸ばしレース再開直後の31周目にようやくピットイン。ランディに3位でバトンを託す。
予想通り、トップの#21、2番手で追う#634の2台からはすでに1分近く遅れているが、ランディは単独3番手で周回する。60周目にドミニクに替わると71周目には2番手の#634が転倒、一旦ピットに戻ってすぐ再スタートするが、このアクシデントでドミニクは2番手に浮上して、なおも1分30秒ほど離れるトップを追う。
このあたりから#11と接近戦となり、ドミニクと3番手のレオン・ハスラム、そしてそれぞれ次のスティント(走行時間)ではランディと渡辺一馬が激しいマッチレースを展開する。言うまでもなく、渡辺は今季2016/2017の開幕戦ボルドール24時間でF.C.C. TSR Hondaが5位入賞した時のライダーの一人だ。
この攻防は、次のドミニクとレオンの間でドミニクが2位のポジションを固める130周すぎまで続いた。その後はドミニクとランディとも順調に周回を重ねるが、レースも残り40分あたりのところで再び#11がランディのテールの直後に着いたところで、2度目のセーフティカーが介入、中立状態で低速走行を強いられている中、何とアンダーカウル後端が燃える青いカウルがモニターにはっきりと映し出された。
一瞬ピット内は騒然とするが、白煙や火を吹くなどではなく、ほどなく火も消えかかる状態となるが、オレンジボール+黒字白文字サインボード(他車に危険を及ぼす可能性のある車両に対して、車両番号と共に提示される)がランディに出される。ピットに戻ったランディは、作業を終えるとすぐさまコースに復帰する。しかし、直後に迫っていた#11号車の2位浮上を許してしまった。詳細原因は調査待ちだが、おそらくタイヤカスがアンダーカウルのオイル溜めに積み重なり、それが発火したと思われる。それゆえ、燃え尽きてしまえば問題はなかったのだ。
タイヤカスは燃え尽きてしまったが、我々のレースは燃え尽きることなく、最後まで諦めることなく順位を追った。しかし順位を回復することは叶わず、トップ差1周の215周で8時間すぎのチェッカーを受けた。結果は2015年以来2年振りの3位表彰台の獲得となった。
また、最終戦に付き1.5倍のボーナスポイントが与えられるため、通常の21ポイントに対し31.5ポイントが加算された結果、EWC世界ランキングは4位に浮上して2016/2017シーズンのランキングが確定した。
藤井正和TSR総監督のコメント
『最強のチームを目指して臨んだ今回の鈴鹿8耐だが、予選までの結果には満足している。極めて短期間でここまで仕上げる事ができたからね。しかし、決勝レースを考えると、#21号車、#634号車にはまだまだ足りない。#11とようやくタイマンを張れるくらいだろう。そうであれば、我々には勝つ方法としては、ベストな二人で臨むしかないと決断した。それがシェイクダウンからマシンを作り上げてきたランディとそれを乗りこなして7秒台、6秒台を出してきたドミニクだった。
最後に燃えたのは想定外だったが、ぎりぎり表彰台に乗れたのは、支えてくれたみんなのお陰だと思います。ありがとうございました。来年に向けて出直します!』