家事や育児の負担は妻に偏りやすい。専業主婦の場合は特に顕著だ。ガールズちゃんねるには7月27日、「『お前が代わりに稼いでこい!』の返し方」というスレッドが立った。スレ主は、2歳児を持つ専業主婦の女性。夫は子どもを溺愛していると思っているが、スレ主が体調を崩した時に風呂すら入れず、育児参加しない。それを指摘したところ夫は、
「じゃあ、お前が代わりに稼いでこいよ、俺が子供のことこれから全部やるから!」
とキレた。これに対してスレ主は、
「私は大層な資格そんなにないし、ブランクもあり言い返せませんでした。 こんな時どう返せばよかったのですか?」
と相談した。
「子どものことは私がやるけど 自分のことは自分でやってね?」
スレッドには1100件のコメントがつき、夫への批判やスレ主に同情する声が多く見られた。
「夫いくつよ…… 大人の言う事じゃないよね」
「とりあえず主の旦那はクソ旦那。間違いないです」
子どもを溺愛しているというが、育児参加に消極的な姿勢から、「溺愛してるなら世話もしたくなるはず」というツッコミも入っていた。いわゆる「なんちゃってイクメン」なのだろう。
夫は仕事で疲れて余裕がなかったのかもしれないが、「代わりに稼いでこい」とはあまりにも上からな発言で、妻への配慮に欠けている。夫へのこい返しとして、
「じゃぁ、子どものことは私がやるけど 自分のことは自分でやってね? 風邪引いて倒れても世話しないからね」
「なら、お前が産めや」
などの返答案が出ていた。「お金をやりくりして家庭をまわしてるのは誰?」という返しは特に効果があったという。仕事をして稼げでいるのは夫だが、それは妻のサポートがあってのことだ、という主張だ。
決して楽ではない育児「正直、仕事の方が良いですね」
一方で、
「なんでそんな専業主婦が偉そうなの? 実際稼げないんだから黙ってれば?」
など、専業主婦であるスレ主が文句を言うのはおかしい、というコメントもあった。家事や育児は金銭的な見返りがない「アンペイドワーク」と呼ばれ、報酬を生む仕事に比べて軽視されがちだ。
夫婦間の家事参加率には大きな偏りがある。大和ハウス工業が今年5月に発表した「共働き夫婦の『家事』に関する意識調査」を見ると、家事参加の割合を妻は「妻9:夫1」と回答しており、家事のほとんどを妻が担っていることがわかる。
育児は決して楽なことではない。姉の子守をたまにするという人物は、「正直、仕事の方が良いですね(中略)一日だけなら良いけどこれが毎日って考えただけで震えます」と心境を吐露している。ましてやイヤイヤ期の2歳児の育児は負担なはずだ。
子育てには夫の家事参加が不可欠だ。2017年版少子化社会対策白書で「夫の休日の家事・育児時間別にみた、第2子以降の出生の状況」を見ると、夫の家事・育児時間がなしでは10%に対し、6時間以上では87.1%にまで増える。それだけ育児の負担が大きいことを意味するが、残念ながらスレ主の夫にその自覚はなさそうだ。