鈴鹿8時間耐久ロードレースは、チェッカーの時間を迎えた。トップでチェッカーを受けたのは、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム、FIM世界耐久選手権(EWC)チャンピオンに輝いたのは11位フィニッシュを果たしたGMTヤマハだった。
決勝レースも残り1時間となった18時30分、ライトオンボードが提示された。各チーム、最後のピット作業を終えてフィニッシュライダーが夕闇の中を疾走する。
そんな中、ライダー交代したばかりのYARTヤマハが緊急ピットイン。すぐコースに復帰したものの6番手に順位を落としてしまう。
さらに残り37分。Team de"LIGHTが逆バンクで転倒。この転倒により、セーフティカーが導入されるとほぼ同時に、ピットロード出口でNCXXレーシングが転倒と、最終盤でトラブルが続出する。
残り30分時点でセーフティカーが解除されると、全車がスロットルを全開に。同時に2番手を走行していたF.C.C.TSRホンダのマシンのアンダーカウルから火の手が上がった。
F.C.C.TSRホンダで最後のスティントを担当したランディ・ド・ピュニエは、気づかずにそのまま走行を続行する。炎は消えたもののオレンジボール旗が出されたため、ド・ピュニエは緊急ピットイン。その横をカワサキ・チームグリーンのレオン・ハスラムが駆け抜けた。
ド・ピュニエはピットでの作業を終えてすぐにコースに戻ったが、3番手に順位を落とす。
残り15分。5番手を走行するYARTヤマハの野左根航汰にホンダ・ドリームレーシングの小山知良が迫る。快調なペースで小山は野佐根に迫り、最後の最後で5位争いが勃発した。
そして、ついに8時間が経過。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが危なげないレース運びで、記念すべき40回目の鈴鹿8耐で優勝を飾った。
この優勝により、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームは2014年からの3連覇を達成。さらに中須賀克行は、同チームから3年連続優勝を果たし、1993年から1995年に連勝を果たしたアーロン・スライト以来の快挙を成し遂げた。
カワサキ・チームグリーンが2位、F.C.C.TSRホンダが3位でチェッカー。序盤にレースをリードした場面もあったMuSASHi RT HARC-PRO.ホンダは4位と表彰台を逃し、5位争いはYARTヤマハに軍配が上がった。また、2周目に転倒を喫したヨシムラ・スズキMOTULレーシングは猛烈な追い上げを見せて7位でゴールした。
今大会はEWC最終戦であり、鈴鹿8耐でチャンピオンが決定。2016/2017シーズンのEWCタイトルは、11位でチェッカーを受け146ポイントを獲得したGMTヤマハが獲得した。
2016/2017シーズンのEWCにフル参戦したF.C.C.TSRホンダは3位表彰台、EVA RT初号機ウェビック・トリックスターは14位フィニッシュだった。