体調不良のフェリペ・マッサに代わり、F1ハンガリーGP予選、決勝に急きょウイリアムズから出走することになったポール・ディ・レスタが、何の準備もなく予選に出場することに大きな不安があったと認めた。
マッサは金曜プラクティスFP2の際に体調不良に陥ったが、メディカルチェックの結果、走行を認められたため、土曜FP3に出場した。ところがセッション中に再び体調が悪くなり、走行を中止、予選以降への出場を断念した。
そのためチームはリザーブドライバーのディ・レスタを代わりに走らせることを決めた。ディ・レスタは2011年から2013年までフォース・インディアからF1に参戦し、2014年からDTMで活動しているが、その傍ら、2016年と2017年はウイリアムズのリザーブドライバーの役割も担っている。しかし今季ウイリアムズのマシンを実際に走らせたことはなく、ディ・レスタは事前準備を全くしないまま、ハンガリーGPの予選に出場した。
困難な状況にもかかわらず、ディ・レスタは大きなミスなく予選Q1を走り切り、19位を獲得。ザウバーのマーカス・エリクソンを破り、チームメイトのランス・ストロールから0.766秒差のタイムを記録、彼をDTMで走らせているメルセデスのボス、トト・ウォルフらから、そのパフォーマンスを称賛された。
急遽、F1出場を求められたことについて、ディ・レスタは本当はとても不安な気持ちだったと認めた。
「嘘を言うつもりはない。怖かったし、心配だったし、神経質になっていた」とディ・レスタが述べたとFormula1.comが伝えた。
「3年半、F1マシンに(本格的には)乗っていなかった。2014年のマシンで10周しただけだ。それがいきなり予選に放り込まれたんだ。これほど困難なことはない。崖から突き落とされて、どうやって生き残れるか試されているようなものだ」
しかしマシンに慣れるのに時間がかからなかったことに安心したとディ・レスタは言う。
「あっという間に快適に走れるようになった。最初はゆっくりと慣れていき、1周0.5秒ずつタイムを削っていった。まだまだポテンシャルはある」
「でもレースはまた別物だ。タイヤのことは何も分からないし、燃料をたっぷり積んだ状態でマシンを走らせたこともない。ターン1に飛び込んでいくのはかなり難題だろうね。ピットストップもそうだ。もちろん、自分の力を試したいけど、暑いなか70周走って、体力に問題ないのかを見ていく必要がある。ステアリングについても理解しなければならない」
「なんとかプロセスをこなして、できるだけミスをしないように心掛けるよ」