2016/17年シーズンのフォーミュラEは7月29日、第11戦モントリオールePrixが行われ、ルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディスポーツ)が優勝。ドライバーズランキングでトップに浮上した。
ダブルヘッダーとして行われる17/18年シーズンの最終ラウンド、モントリオールePrix。ディ・グラッシは、この戦いにランキング首位のセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)と10点差で挑んだ。
そのディ・グラッシは予選でブエミを抑えてポールポジションを獲得。ポールポジションポイント3点を獲得し、ブエミとのギャップを7点とする。
フロントロウを獲得したブエミだったが、フリープラクティス2回目でクラッシュがあり、この際にマシンのバッテリーにダメージを負ってしまう。この影響からマシンを乗り換える必要があったため、10グリッド降格ペナルティ。12番手グリッドからのスタートとなってしまう。
これでプレッシャーの弱まったディ・グラッシは、決勝でも序盤から快走しリードを拡大。一方のブエミは中団争いに巻き込まれる形となり、オープニングラップで16番手までポジションを落としてしまった。
トップを走るディ・グラッシは着実にギャップを広げ、レース中盤にマシンを乗り換えた後も首位をキープ。しかし、レース残り11周となった24周目にサム・バード(DSヴァージン)と順位を争っていたホセ-マリア・ロペス(DSヴァージン)がウォールにヒット。これでセーフティカーが導入される。
この結果、いったんはギャップがリセットされたディ・グラッシだが、28周目のリスタート時にファンブーストも使用して、ふたたびリードを拡大。
レース終盤にはジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)に詰め寄られたが、0.350秒差でポジションを守りきりトップチェッカー。今季2勝目を手にした。
ポイントリーダーとして挑んでいたブエミは粘りの走りで着実にポジションアップ。ファイナルラップにはステファン・サラザン(テチーター)とサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げたが、オーバーテイクには至らず、4位でチェッカーを受けた。
この結果、ディ・グラッシは6点差でランキング首位に浮上。チャンピオン争いは30日(日)に行われる最終戦にもつれる形となった。
「今日はフォーミュラEのなかで最高の1日になった」とディ・グラッシ。
「今日だけで28点もポイントを稼ぐことができた。秘訣は簡単さ。とにかく落ち着いて、自分のベストを尽くし、スタッフたちのモチベーションを高めることだ」
「フォーミュラEでは、ひとつの判断ミスで天から地へ転げ落ちることもある。だから、今日はいい1日だったけど、明日はどうなるか分からない。とにかく、今日と同じことを繰り返すよう努力するだけだ」