SS19でデイリタイアを強いられたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) 7月29日に行われたWRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドのデイ3。前日、ワン・ツー体制を構築していたTOYOTA GAZOO Racing WRTは、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が首位をキープした一方で、ヤリ-マティ・ラトバラのヤリスWRCにメカニカルトラブルが発生。デイリタイアを強いられた。
デイ3はSS14~21の8SSで争われた。総合2番手でデイ3をスタートしたラトバラはSS14から5SS連続でステージ優勝。SS15を終えた時点でラッピを交わして総合首位に浮上する。
しかし、SS19走行中、ラトバラが操るヤリスWRCにメカニカルトラブルが発生して、コース上でストップ。デイリタイアを強いられ、ラトバラはステアリングを叩き、悔しさを露わにした。
この結果、SS19でステージ最速タイムを記録したラッピがふたたび首位に浮上して、ラリーリーダーとしてデイ3を締めくくった。
前日、総合5番手につけていたユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)はSS16で総合3番手に浮上。その後、ラトバラが脱落したことで一時は総合2番手までポジションを上げたが、SS20でティーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)に交わされ、総合3番手でデイ3を完走。スニネンとは4.3秒差で総合2位を争っている。
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)は本当に速く、ホームラリーで優勝目指して戦っていたから、彼のクルマにトラブルが起きて本当に残念だし、申し訳なく思う」と語るのはチーム代表のトミ・マキネン。
「いったい何が起こったのか、現在原因を調査している。問題は電気系で恐らくマイナートラブルだが、今まで発生したことがない問題だから、徹底的に究明し再発防止に力を注ぐ」
「現在、2台が表彰台を狙える位置につけ、1台はラリーをリードしている。エサペッカ(・ラッピ)は素晴らしい仕事をしているから、明日はこのまま最後まですべてがうまく行くことを願っているよ」
ラトバラは「我々のチームはまだ若いので、こういったことも起こりえるし、そこから学ぶことが大切だ。まずは原因を追及してきちんと直し、そして明日は再出走してパワーステージで最高の走りをしたいと思う」とコメント。
2日連続でラリーをリードする形となったラッピは「ヤリ-マティのことを考えると複雑な気持ちだ。コース上で止まっているヤリ-マティを追い越す時に、少しだけ速度を緩めた」とコメントしている。
競技最終日となる30日(日)のデイ4は、ユバスキュラのサービスパークを中心にSS22~25の4SSで開催。このうちSS25はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。
4SS合計の走行距離は33.84km、総走行距離は202.90kmとなっている。