第69回トタル・スパ24時間は7月30日、決勝レース折り返しとなるスタートから12時間を迎え、GRTグラッサー・レーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3がレースをリードしている。
現地時間29日16時30分、晴天のもとスタートが切られた2017年のスパ24時間。スタート直後からレースをリードしたのはポールポジションを獲得したカスペルスキー・モータースポーツの55号車フェラーリ488 GT3。
これに2番手からスタートしたGRTの63号車ランボルギーニ、アウディスポート・チームWRTの1号車アウディR8 LMS、2号車アウディR8 LMS、HTPモータースポーツの84号車メルセデスAMG GT3などが続いていく。
スタートから1時間経過後、各車が1回目のピットストップを終えると、早めのピットストップを行なったAFコルセの50号車フェラーリ488 GT3がトップに浮上。
しかし、50号車フェラーリはルーフに貼り付けられたゼッケンの一部が剥がれるアクシデントに見舞われ、緊急ピットインを余儀なくされることに。
さらに、50号車は2時間を迎える直前、スパ・フランコルシャンの名物コーナー、オー・ルージュで大クラッシュを喫してしまう。ドライブしていたパシン・ラソーラスは無事だったが、このレースのリタイア第1号となってしまった。
トップ争いその後、度重なるフルコースイエロー(FCY)とセーフティカーの導入により順位が目まぐるしく入れ替わる展開に。
そんななか、スタートから10時間30分が経過した頃、サーキットに小雨が落ちはじめる。この時の雨足は弱く、一度はあがったものの11時間を経過すると今度は本格的な降雨となり、コースは完全なウエット路面となった。
上位陣の多くはこのタイミングでタイヤをドライ用のスリックタイヤからウエットタイヤにスイッチしていくが、トップを走る55号車フェラーリと2番手につける63号車ランボルギーニはスリックタイヤのままステイアウトを選択。
一時は1周15秒近く遅れることもあったが、雨が収まり路面状態が回復するとともにペースアップ。ウエットタイヤに履き替えたマシンがふたたびスリックタイヤに戻したことも手伝い、2台はトップ3圏内をキープしている。
現在トップとなっている63号車ランボルギーニは総合首位で迎えた11時間50分経過時、コースアウトした車両の撤去のために出されたFCY中にピットに戻ると、順位をキープしたままコース復帰に成功した。
総合2番手のHTPモータースポーツ、85号車メルセデスAMG GT3はピット回数を抑えた戦略で上位に進出。トップから約10秒差の2番手つけている。その1秒後方には55号車フェラーリが迫る。
千代勝正も乗り込むモチュール・チームRJN・ニッサンの23号車ニッサンGT-RニスモGT3は予選10番手からスタート。
23号車GT-Rはレース序盤から順調に周回していたが、スタートドライバーのアレックス・バンコムから代わった千代のスティントで左リヤタイヤがパンクするアクシデントに見舞われる。
これによりイレギュラーのピット作業を強いられ、一時は20番台まで順位を落とすが、その後は好ペースで追い上げを図り、現在は総合16番手で走行中。
僚友の22号車ニッサンGT-RニスモGT3は予選でのクラッシュの影響でシャシー交換を強いられ、決勝はピットレーンスタートに。さらにスタート直後にマシントラブルが発生したことで苦戦を強いられているが、32番手でレースを続けている。
22号車GT-Rと同様に予選でクラッシュを喫したGOODSMILE RACING&Team UKYOの00号車メルセデスAMG GT3は序盤から着実に順位を上げていたが、スタートから10時間40分を過ぎた頃、プロ・アマクラスのマシンに最終コーナーで追突されクラッシュ。マシンの修復は叶わず無念のリタイアとなった。