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EVISBEATS、KMC、CHICO CARLITO……夏に聴きたい“和モノHIPHOP”は?

2017年07月30日 10:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 いよいよ夏の始まり。ライターという立場でありながらも根っからのフリーランスなあたしは去年に引き続いて今年も近所の市民プールでアルバイトしています。暴力的に照り付けてくる太陽、そしてうっすら香るカルキのつんとした匂い。そうそう、この感じ。年齢が年齢なので日焼け止めを左官のように塗りたくりながらもさっそく夏をエンジョイしいてます。そのうち蝉が鳴き始めるでしょう。花火にキャンプ、そして海に行きたい。でもやっぱり音楽も楽しみたい!


 昭和生まれのあたしとしてはプリプリの「世界でいちばん暑い夏」や西田ひかるの「人生変えちゃう夏かもね」、そして大黒摩季の「夏が来る」などは外せない。でもやっぱりHIPHOPが大好き! そんなわけで皆さんの夏の日を彩ってくれそうなジャパニーズHIPHOPをご紹介します。ますます多様化するHIPHOPシーンだけど、今回ピックアップしたのはジャジーHIPHOP! 夏の暑い日にも涼しさをもたらしてくれて、しかも夏の終わりの夕暮れの寂しさにもぴったり。そんなナンバーを集めてみました。ぜひジャジーHIPHOPを聴きながら夏を楽しんでくださいね!


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■鎮座DOPENESS×環ROY×U-zhaan / サマージャム’95


 スチャラダパーが1995年にドロップした名曲を大胆なアレンジでリメイク! J-HIPHOP界におけるサマーチューンの決定版とも言われたこの曲も、インドの民族楽器タブラの音色で洗練されてより涼し気に。ビニールプールにでも入りながら聴きたくなる一曲です。


■EVISBEATS / ゆれる feat. 田我流


 Nujabes以降、日本のジャジーHIPHOPを牽引したEVISBEATSの素晴らしさがわかる一曲。哀愁をもたらす優しい音色に田我流のラップがマッチ。夏はなにかとドラマティックなことが起きる季節。そんな気持ちが揺れる瞬間に聴いて欲しい。


■KMC / KING


 PUNPEEを客演に迎えてロングヒットを記録した「夜を使い果たして」でお馴染みのSTUTSの出世作となったのがこの曲。STUTSらしい旋律の美しさが味わえるビートにKMCのストレートなラップが映える。


■旅と音楽 / 潮騒 feat. 狐火、とぴ


 面白ブログでお馴染みの株式会社LIGが社内業務として野田クラクションべべーを中心に音楽ユニットを結成。地方創生を目指して日本各地を巡りながら曲を発表している。狐火が参加したこの「潮騒」も岩手県石巻市をテーマにした曲で波の音をサンプリング。


■田中光 / live feat. MEISO


 MCバトルで名をあげ、<戦極CAICA>よりアルバムをドロップした田中光の代表曲「live」はピアノの音色が響く清涼感溢れる曲。田中光のラップスキルも見逃せないがMEISOのタイプの違うラップが華を添える。


■MC松島 x 8ronix / ピーポンへ feat. SNEEEZE


 札幌在住ながらも月イチというハイペースでEPを発表するMC松島が人気急上昇中のトラックメーカー・8ronixとダブルネームで制作。涼しげなトラック、美しいフックのメロディ。夏のお昼寝にぴったりな一曲。


■輪入道 / 徳之島


 ネット配信TV番組「わにゅう道場」も好調な輪入道が鹿児島県徳之島に訪れた際に人々の温かさに感銘を受けて作ったのがこの「徳之島」。まるで私小説のようなリリックに徳之島で撮ったという温かいMV。美しい海の景色が夏気分を味あわせてくれる。


■CHICO CARLITO / 一陽来復 feat.CHOUJI,唾奇


 『フリースタイルダンジョン』でモンスターを務め、Mステも出演したCHICO CARLITOの「一陽来復」も鍵盤の音色が響く爽やかな一曲。CHOUJI、唾奇など沖縄出身のMCをゲストに迎え、沖縄らしさが溢れるMVを公開した。


■唾奇 × Sweet William / Good Enough feat. kiki vivi lily


 同じく沖縄出身の新鋭MCとして注目を集める唾奇は鬼才Sweet Williamとダブルネームで曲を発表。kiki vivi lilyの儚げな歌声が柔らかなトラックにマッチ。風の吹く夏の夜に聴きたい一曲。


■RITTO / NINGEN State of Mind pt-II


 元祖沖縄MCといえばやっぱりRITTO。その中でも一番の名曲と名高いのがこの曲。沖縄の海から始まるMV、OLIVEOILが奏でるリゾート観溢れるトラック、印象的なRITTOの声、そして少しもの悲しいリリック。夏の夕暮れにふさわしい一曲。


 90年代のミドル期のHIPHOPで盛んになったジャジーHIPHOPは、2000年初頭のアングラHIPHOPシーンでも再び活発化。日本でもNujabesやSHING02などによって開拓され、現在はこれらのアーティストによって受け継がれています。


 トラックだけ聴いていると、まるでカフェのBGMのような綺麗なサウンド。普段HIPHOPを聴かない方でもジャジーHIPHOPにハマってしまう方は沢山いるようです。ジャジーHIPHOPの持つ清涼感で気分もすっきり。猛暑を少しでも涼しく過ごしてくださいね。(鼎)