7月29日、鈴鹿サーキットで鈴鹿8時間ロードレースのトップ10トライアルが行われ、中須賀克行が2分6秒038でトップタイムをマークし、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームがポールポジションを獲得した。
トップ10トライアルは、28日に行われた計時による公式予選の上位10チームによるタイムアタック式の予選。各チームふたりのライダーがそれぞれ1周ずつタイムアタックを行い、そのベストタイムによって上位10番手までの予選順位が決定する。
まず公式予選の順位6番手から10番手までのチームのライダーがアタックを開始。2番目にコースインしたHonda鈴鹿レーシングチームの亀井雄大が転倒し、タイム計測ならず。
さらに4番目に登場したチームカガヤマの加賀山就臣がラインを外して砂埃を上げ、SatuHATI.ホンダ・チームアジアのラタポン・ウィライローのマシンが暴れるなど、あわやという場面が続出した。
それでも大きなアクシデントに発展することはなく、アタックが進んだ。2分7秒634をマークし、真っ先に2分7秒台を記録したのは、YARTヤマハのブロック・パークスだ。
しかし、続いて公式予選1番手から5番手のチームのセッションに入ると、このパークスのタイムを2分7秒156でF.C.C.TSRホンダのランディ・ド・ピュニエが逆転。
さらにMuSASHi RT HARC-PRO.ホンダの高橋巧が2分6秒674を叩き出し、ポールポジション争いは2分6秒台の戦いに突入する。
直後、セクター1から高橋のタイムを上回るタイムで逆転をねらったヨシムラ・スズキMOTULレーシングのシルバン・ギュントーリだったが、2輪専用シケインで転倒しタイム計測はならず。
この後に登場したのが、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの中須賀だ。中須賀はギュントーリの転倒に動揺することなく、貫禄の走りで2分6秒038をマークするとトップに立った。
■トップ10トライアルは2分6秒台の激しい戦いに
トップ10トライアルは、公式予選1位から5位のチームのふたりめのライダー登場によって最終局面を迎えた。F.C.C.TSRホンダのドミニク・エガターが2分6秒600をマークし2番手に浮上するも、カワサキ・チームグリーンのレオン・ハスラムが2分6秒381でTSRから2番手の座を奪う。
そして、MuSASHi RT HARC-PRO.ホンダの中上貴晶がアタックを開始すると、前半セクションで中須賀を上回るタイムを計測。トップタイム更新かに思われたが、後半セクションでまとめきれず、2分6秒671のチームベストタイムで4番手となった。
中上に続いてアタックしたヨシムラ・スズキMOTULレーシングの津田拓也も序盤から中須賀のタイムに迫るが、2分6秒282で2番手タイムを叩き出す。トップ浮上はならなかったが、ギュントーリの転倒を見事にカバーしてみせた。
この時点でヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのポールポジションは確定。最後に登場したヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのアレックス・ロウズのタイムに注目が集まった。
ロウズも前半セクションでは中須賀のタイムを上回るペースだったが、後半でタイムを落とし記録したタイムは2分6秒225。中須賀が出した2分6秒038がポールポジションタイムとなり、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが3年連続ポールポジションを獲得した。
中須賀が記録したポールポジションタイム2分6秒038は、2015年に同チームでチームメイトだったポル・エスパロガロがトップ10トライアルで記録した2分6秒000に迫るものだった。
以下、ヨシムラ・スズキMOTULレーシング、カワサキ・チームグリーン、F.C.C.TSRホンダ、MuSASHi RT HARC-PRO.ホンダの順に決定。5チームが2分6秒台をマークする激しいトップ10トライアルだった。