7月8日に中国のズーハイ・インターナショナルサーキットで行われたチャイナGTチャンピオンシップ第3戦でクラッシュし、第1腰椎(L1)を負傷したアンドレ・クート。そのクートが日本のファンに対するメッセージを発信した。
クートは近年盛り上がりをみせているチャイナGTに参戦。スピリットZ・レーシングが走らせるニッサンGT-RニスモGT3をドライブしていた。
ズーハイで行われた第3戦決勝の16周目、クートは少しずつ雨が降りはじめるコンディションのなか、スリックで5番手を走行していたが、ブレーキングでマシンが突如、左にぶれてコースアウト。タイヤバリアに激しくクラッシュして救急搬送された。
現在も香港の病院で治療を受けているクートは、クラッシュ当時の状況を詳しく振り返ったほか、日本のファンに対して感謝の言葉を述べている。
クートが発表したメッセージは以下のとおりだ。
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「不幸中の幸いとしか言いようがなかったよ」
「事故の状況はよく覚えているよ。記憶が飛んだとかそういったことは一切ない。ズーハイ・サーキットのターン6のアプローチでアクシデントは起きたんだ。右コーナーへのアプローチで突然クルマが左へと直角に曲がった」
「何が起きたかは未だに分からない。とにかく90度、方向を突然変えてガードレールへ真っ直ぐに当たった。(衝撃で)ペダルユニットがシートの手前まで来てしまった。つまりクルマのフロントセクションはなくなってしまったも同然さ」
「そしてマーシャルに救出され、(サーキット)近くの中山第五病院に運ばれた。そこでなんて言われたと思う? すぐに手術だ、と。まだ身体のどこがどうなっているのか検査すら済んでいないんだよ? これはヤバイ! と思い、香港に移送することを希望した」
「僕は(香港まで)ヘリで運ばれたと言われてるよね? それは違うんだ。ジェット機で運ばれたんだよ。緊急用のジェット機があって、まず北京からズーハイへとジェット機が配備され、そこで僕を積み込んで、そして香港へと移送された。なんかすごいことになったぞ。そう思ったよ」
「幸いにして脊髄の神経の損傷は免れた。検査の結果、まず手術は要らない、と言われた。L1、つまり腰椎の一部が部分が折れた。その周辺の神経を圧迫したりはしていないので、これ以上の問題はなかった」
「ドクターの話では、これからリハビリテーションのプログラムを作成してくれることになっているんだ。大体の目処としてまず手術をしないまま、このまま横になっている。退屈だけどね。自然治癒ってやつだよ」
「この状態が大体2~3カ月続くと聞いている。つまり、このベッドから降りるまで2~3カ月もこのままなんだよ! そこからまた2~3カ月でリハビリテーションメニューをこなし、その後はレースに戻るよ!」
「日本には友達も、たくさんいるし早く戻りたい。僕はこの身体を完璧に治して必ず日本に戻るから、どうか待っていてほしい。そして心配してくれていたみなさん、『オブリガート!』、本当にありがとう!」
2017年7月26日
香港聖德肋撒醫院にて