ピレリがイギリスGPでフェラーリの2台に起きたタイヤトラブルの原因を発表した。セバスチャン・ベッテルのトラブルの原因は「スローパンクチャーによって、内圧が下がった状態で走行したことが最終的な破損につながった」とした。
さらにキミ・ライコネンの原因は「外部の物体との接触が起きたことで、ベルトがカーカスから一部剥離したという可能性がある」というものだった。
しかし、あるチーム関係者はその調査結果に疑問を投げかける。
「ピレリのタイヤトラブルで、タイヤに原因があったことはないのはなぜなのか?」
さらにこう続ける。「イギリスGPでは、フェラーリのようにパンクはしなかったけれど、多くのマシンがブリスターに悩まされていた。イギリスGPのコンディションでブリスターが起きるというのは異常だ」
イギリスGPは気温21℃、路面温度27℃というそれほど暑くないコンディションでスタートした。にもかかわらず、フェラーリ以外にも何台かのマシンにブリスターが発生していた。
ハンガリーGPは例年に比べると涼しい中で金曜日のセッションはスタートした。それでも気温は午後に入って26℃、路面温度も34℃とイギリスGPよりも暑かった。さらにコンディションは日が進むにつれて上がっていき、日曜日は最高気温33℃になると予想されており、そうなると路面温度は40℃以上になるのは必至だ。
ブリスターは、タイヤの温度が上昇しすぎて内部に気泡ができ、遠心力によって表面に現れ、穴となって見える現象だ。路面温度の上昇だけでなく、キャンバーをつけすぎたことでタイヤの接地面が偏ったことで一部分だけの温度が上昇することもある。
特にハンガロリンクはアンダーステア・サーキットで、フロントタイヤが横滑りし、温度が上昇しやすい。そのため、フロントタイヤの内側にブリスターを発生させやすい。
そのため、金曜日の走行ではどのチームも、日曜日を念頭に置いたセットアップを入念に行なっていた。金曜日はフリー走行のデータを元にセットアップ変更を行う。今夜はいつもよりも、長い夜になりそうだ。