WRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドは7月28日、SS2~13が行われ、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位に浮上。総合2番手にヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続き、トヨタがワン・ツー体制を築いている。
前日のSS1で総合5番手、13番手につけたラトバラとラッピ。明けた28日(金)のデイ2では、ラッピが12SS中8SSでステージ優勝を飾る圧倒的な速さをみせつける。
残る4SSのうち、SS3はラトバラが制したほか、SS2、SS8はラトバラたちと同じくフィンランド出身のティーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が制しており、地元ドライバーたちが強さを発揮した。
この結果、デイ2を終えた時点でラッピが総合首位に浮上。4.4秒差の総合2番手にラトバラ、19秒後方にスニネンが続いている。
「総合首位に立てるなんて思いもしなかった」と26歳のラッピ。
「本当に特別な状況だけど、まだうまく飲み込めていないよ。小さい頃からWRカーでフィンランドを走ることが夢だったんだ。それが叶っただけでなく、大会をリードすることもできているなんて、どう表現すればいいか分からないよ」
総合2番手に続いたラトバラも「エサペッカは本当に素晴らしいドライビングを披露した」とラッピの走りを賞賛している。
「僕も全力を尽くしたけど、彼には届かなかった。だから、明日に向けて改善に取り組むよ」
トップ3のフィンランド人勢に続く総合4番手はクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)、総合5番手にはユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が続いている。
一方、WRC5連覇を目指すセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)は不運に見舞われた。オジエはSS4走行中、ジャンピングで着地した際に右リヤサスペンションを破損。そのまま木に衝突してマシンを止めた。
ドライバーたちに外傷はなかったものの、クラッシュの衝撃から、コドライバーのジュリアン・イングラシアが体調不良を訴えており、オジエたちが競技を続行できるかは不透明な状況だ。
オジエは「病院で検査を受けて異常は見つからなかったが、ジュリアンのコンディションは万全とは言えない」と語っている。
「今はジュリアンに決断する時間を与えたいんだ。ただ、そこまで心配はしていないよ。大きな問題があるわけじゃなく、ただめまいがするだけだろうからね」
また、SS1で総合首位にたったオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)もSS4で岩にぶつかるミスがあり、マシンを損傷。デイ2を走りきったものの、総合10番手まで後退している。
WRC2クラスに参戦している新井大輝(フォード・フィエスタR5)と勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は、新井が総合19番手/クラス4番手でデイ2を完走。
一方の勝田はクラス首位を争うペースをみせてたものの、SS2後にエンジントラブルが発生。54分遅れで次のステージにたどり着いたためタイムペナルティを受け、優勝争いからは脱落している。